どうも、僕です。野村雅夫です。東京では1月に公開が始まり、シネ・リーブル梅田では3月20日、京都シネマでは3月21日、少し遅れてシネ・リーブル神戸では4月3日に上映の始まるイタリア映画『盗まれたカラヴァッジョ』。『ローマに消えた男』や『修道士は沈黙する』が日本でも公開されているロベルト・アンドーが監督・脚本したもので、原題は「名もなき物語」”Una storia senza nome”。2018年のヴェネツィア国際映画祭に出品され、同年にイタリアで一般公開されたこの作品を、セサミあゆみにレビューしてもらいました。
ジュディに扮したのは、この演技でアカデミー主演女優賞を獲得したレネー・ゼルウィガーです。ジュディの半生を描いたこの作品には舞台の原作があります。『End Of The Rainbow』というタイトルで、日本でも5年ほど前に翻訳上演されています。監督はルパート・グールド。舞台の演出でならした人で、今48歳。長編映画としては、これが2本目。
これは映画ライターのよしひろまさみちさんがパンフに寄せた文章で知ったことですが、ジュディがゲイ・カルチャーの文脈でカリスマ的な人気を誇っていたようです。たとえば、マドンナ、カイリー・ミノーグ、レディ・ガガがそうであるように。確かに、劇場で出待ちをしていたゲイカップルとジュディが交流を持つ、この映画で唯一と言っていいほど心穏やかに過ごした一夜があります。様々な抑圧や不条理に見舞われながらもスポットを浴びて人々に感動を与え続けた彼女に、LGBTQの当事者がどれほど勇気づけられたか。さっきもお送りした代表曲『Over The Rainbow』もその文脈でより感動を覚えるし、虹の七色がLGBTQのシンボルカラーになっていることも、なるほどなと頷けます。