京都ドーナッツクラブのブログ

イタリアの文化的お宝紹介グループ「京都ドーナッツクラブ」の活動や、運営している多目的スペース「チルコロ京都」のイベント、代表の野村雅夫がFM802で行っている映画短評について綴ります。

イタリア

欧米で社会現象化の小説『リラとわたし』クロスレビュー

翻訳家集団でもある京都ドーナッツクラブのメンバーは、定期的に開く会議の場で、イタリア文学の最新事情について情報交換をすることがある。そこで何度か話題にのぼっていた作家が、エレナ・フェッランテだ。 イタリアとアメリカでそれぞれ100万部以上を売…

「バルゼッレッテ」でイタリアを楽しもう!

「バルゼッレッテ」でイタリアを楽しもう! 3月19日開催、京都ドーナッツクラブ主催イベントのお知らせです。 バルゼッレッテ(バルゼッレッタ)とは、イタリアのジョーク、笑い話のこと。バルゼッレッテを通してイタリアを見れば、イタリアの流行、文化、ユ…

京都ドーナッツクラブメルマガ 第30号

こんにちは!めっきり涼しくなった京都の片隅で ドーナッツクラブは色々躍進していますよ。 ★アゴスティ監督作品、待望のDVD化! ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ドーナッツクラブが日本で紹介し続けている、 シルヴァーノ・アゴスティ監督作品がついに日本初DVD…

葡萄のSAKEBI #9 サルデーニャ編

イタリアの安くて美味しいワインを州や地域ごとに楽しむため目的で始めた「葡萄のSAKEI」。 9回目を迎えた今回は、サルデーニャ州のワイン6種類と郷土料理を楽しみつつ、サルデーニャ島に思いを馳せました。 毎回、ゲストを招いていますが、今回は、高校生の…

11月9日 西尾孔志監督トークショー@第七藝術劇場

レイトショーの後ということで、少し遅めに始まったトークショー。この日上映された2本の映画、『フィルムがない!』(Il caricatore, 1996)と『ただ彼女と眠りたかっただけなのに』(Volevo solo dormirle addosso, 2004)を鑑賞された西尾孔志監督が、ドーナ…

フェリーニの遺言

先日、映画を観て衝撃を受けた。その映画というのは『ファントッツィ、皆と対立』(Fantozzi contro tutti, 1980)だ。パオロ・ヴィラッジョ演じるファントッツィといえば、イタリアで知らない人はいないコミック映画の主人公。1968年にテレビドラマとして人気…

伊田広行さんを迎えてのトークショー『陽気なイタリア社会の困難な現状』

さる9月14日、元・立誠小学校特設シアターで、ドーナッツクラブ配給の映画を上映後、チルコロ京都でトークショーを実施しました。その日上映された『ただ彼女と眠りたかっただけなのに』は、主人公の青年が、人件費削減のため、同じ会社で働く社員の中から25…

マッシモ・ガウディオーゾの青春時代

『フィルムがない!』(Il caricatore, 1996)は、少ない資金でなんとか映画を撮影しようと奮闘する三人の若者を描いたコメディー映画である。若者たちのうちの一人が、現在テレビや映画で活躍する監督エウジェニオ・カプッチョなのだが、実は残りの二人も、イ…

愛嬌でモテる色男ヴォーロ

ファビオ・ヴォーロことファビオ・ボネッティは、まだ小学生だった頃、ある映画が大好きだった。アルベルト・ソルディ監督作品の『私が知っていることを君が知っていると私は知っている』(Io so che tu sai che io so, 1982, 日本未公開)。自分と同姓同名の…

このゴージャスで美しく知的な風貌の女性を、ご存知だろうか?

(出典:Franca Rame:Teatro, politica. http://www.francarame.it/it)女優であり、劇作家であり、政治家であった女性、フランカ・ラーメ(Franca Rame)。 彼女が、2013年5月29日、夫ダリオ・フォー(Dario Fo)に看取られ、イタリア北部の自宅で永眠した…

代表 野村雅夫の新番組情報

おはようございます。 いよいよ今日から新年度です。 代表 野村雅夫が担当するラジオ番組が今日から変わります。 これまでと変わりがないものを含めてお知らせします。InterFM(東京) 『Mondo Musica』(新)毎週月曜日〜木曜日 18:00-20:00 FM802(大阪…

皆様、こんばんは。 日本各地で桜の満開情報が聞こえておりますが、いかがお過ごしでしょうか。 ドーナッツクラブからのイタリア関連のイベント・映画・書籍のご案内です。=直近のイベント= ■イタリアブックフェア 東京のイタリア文化会館で、今年も、イタ…

「戦争とファシズム」映画祭

11/30(金)〜12/2(日)の3日間、北大阪の十三にある、第七藝術劇場にて開催された「戦争とファシズム」映画祭。 おもしろい社会をカタチするプロジェクト「AIBO−Action Incubation Box Osaka」が11/23(祝)〜12/2(日)の10日間にわたって開催した「大阪…

童話のクマのやさしさ

古今東西、童話に出てくるクマは、どれも共通の特徴を持っている。それというのは、ライオンやオオカミに引けを取らない猛獣のはずなのに、どこかかわいくて、やさしさまでも感じるというところ。例えばイギリスの童話『三びきのくま』。留守中のクマの家に…

KBS京都ラジオに野村雅夫出演!

昨日11/4(日)、KBSラジオ京都「伊舞なおみのみんながメダリスト」に、代表野村雅夫が、翻訳家として出演しました! 実は、野村が翻訳した絵本『剣を持ったクマ』を、電子絵本として出版することになった際、ラジオに関わっている人間なので、せっかくなら…

Top Italian Wines Road Show

イタリア版のミシュランと称されるガンベロ・ロッソ。「赤いエビ」という意味で、由来は童話『ピノッキオの冒険』に出てきた酒場のこと。もともとはイタリア国内のレストランを格付けする雑誌だったのですが、現在は料理教室やテレビ番組の制作など、食に関…

LIGHT ON THE WILD アレッサンドロ・ベーの新しいウェブサイト

どうも、僕です。ポンデ雅夫こと、野村雅夫です。2006年のことだから、もうずいぶん前のことになってしまいましたが、ドーナッツクラブは大阪のブックカフェ「ワイルドバンチ」で写真展を開催しました。アレッサンドロ・ベー(Alessandro Bee)という、自然…

カタツムリもビールがお好き!?

どうも、僕です。ポンデ雅夫です。久しぶりにもほどがあるブログへの登場なのに、「話題がビールって!」と思った方もいるやもしれませんが、どうしても書きたかったのです。イタリアの地ビール事情の続報を。続報と言っても、以前の記事「伊太利亜地麦酒最…

私が愛したローマ

ピエル・パオロ・パゾリーニ(Pier Paolo Pasolini)が初めて監督を務めた映画『アッカットーネ』(Accattone, 1961)の中に、主人公のアッカットーネとその友人たちがたむろするバールが出てくる。それが現在改装され、バール・ネッチというレストランにな…

イタリア犯罪白書

ローマの和食店でアルバイトをしていたころ、犯罪事件に立ち会うことがあった。ある夜、売上金を入れたイタリア人オーナーの鞄が盗まれたのだ。 防犯カメラに映っていた犯人をにらむオーナー。反射的に警察に通報することを考えた私は、続くオーナーの言葉に…

図書館は町を知るチャンス

ローマを知りたいなら図書館に行くべし、という自説を私は唱えている。これは、資料を求めて足しげく図書館に通った実体験に基づくものだ。ローマ市内にはさまざまな図書館があるのだが、ここで言及したいのは市立図書館のこと。市内を分ける19の行政区ごと…

色に隠された物語

イタリア語で「一文無し」を意味する「緑になる」(essere al verde)という慣用句。これは17世紀、競売で用いられていたろうそくの根元が、緑色に塗られていたことに由来する。ろうそくが溶けて緑色の部分にまで達したら、競売は終了。合図の代わりにろうそく…

風刺漫画に見るベルルスコーニ時代の終わり

「これからはベルルスコーニが恋しくなるだろう」。昨年末、英国タイムズ(Times)紙で活躍する風刺漫画家ピーター・ブルックス(Peter Brooks)は、「2011年を振り返って」というテーマの記事でそう発言した。風刺漫画家は相手が憎ければ憎いほど腕が振るう。イ…

イタリア映画界の異端児@シネマルナティック(松山)

2/4(土)から松山市のシネマルナティックで開催している「イタリア映画界の異端児 アゴスティの世界」。 2/11(土)は『アゴスティ入門』トークイベントを開催するため、ドーナッツクラブメンバーは車を走らせ、松山へ。シネマルナティックは松山市駅の近く…

イタリア映画界の異端児 アゴスティの世界@横川シネマ ②

横川シネマでの開催中の「イタリア映画界の異端児 アゴスティの世界」もそろそろ後半戦に突入しました。 昨日まで同じスクリーンで上映されていた『サウダージ』とあわせてご覧になっている方も多いようです。時間は少し前に戻って…12/23(祝・金)は、10時…

イタリア映画界の異端児 アゴスティの世界@横川シネマ ①

12/22(木)から始まった、広島・横川シネマでのアゴスティの世界。 吉祥寺の時と同じく、ポンデ雅夫、オールドファッション幹太、ファンシーゆずの3人で広島まで向かいました。 今回は私たちの他、翌日12/23のイベント「地ビールを飲みながらちゃんと考える…

イタリア映画界の異端児 アゴスティの世界@吉祥寺バウスシアター③

吉祥寺バウスシアターで開催しておりました「イタリア映画界の異端児 アゴスティの絵世界」は、一昨日、無事楽日を迎えることができました。 お忙しい中、そして寒い中、たくさんの方にお越しいただき、誠にありがとうございました。 今回の映画祭の会期中、…

朝日新聞朝刊に「アゴスティの世界」が掲載されました!

本日、12/15(木)の朝日新聞(武蔵野版)に「イタリア映画界の異端児 アゴスティの世界」についての記事が掲載されました。 朝日.comでも閲覧できるようです。 コチラからどうぞ。残りあと2日ですが、ご都合の許す限り、吉祥寺までお越しいただけますと幸い…

イタリア映画界の異端児 アゴスティの世界@吉祥寺バウスシアター②

12/9(金)『アゴスティ入門』トークイベント ライムスター宇多丸さん×大阪ドーナッツクラブ代表 ポンデ(野村)雅夫東京滞在の初日は、RYHMESTER宇多丸さんをゲストにお迎えしてのトークイベント!タマフルヘビーリスナーで、宇多丸さんを師匠と呼ぶポンデ雅…

イタリア映画界の異端児 アゴスティの世界@吉祥寺バウスシアター①

12/9(金)-10(土)は、「イタリア映画界の異端児 アゴスティの世界」の上映と一緒に開催したトークイベントのため、ポンデ雅夫+オールドファッション幹太+ファンシーゆずの3人で、吉祥寺まで行ってきました。 吉祥寺の商店街「サンロード」の端っこに位…

また、TBSラジオ「キラ☆キラ」で紹介されました!

小島慶子さんがパーソナリティーを務める「キラ☆キラ」の「ペラ☆ペラ」のコーナーで、 現在、吉祥寺バウスシアターで開催中の「イタリア映画界の異端児 アゴスティの世界」をご紹介いただきました!2か月ほど前の9月28日(水)の「ペラ☆ペラ」では、ドーナッ…

イタリアからの手紙10:「無害化された日本の反原発デモ」 ファビオ・ヴィオラ 

今年の3月11日以降、イタリアのメディアでも日本のニュースが連日のように取り上げられました。震災もさることながら、福島の事故は原発廃止問題で揺れていたイタリアにとって、大きな注目の的となりました。イタリア人の考え方や論説には、中傷にあたるよう…

『見えないものたちの踊り』発売!

本日、11/25 シルヴァーノ・アゴスティ著の『見えないものたちの踊り』が電子書籍とオンデマンド書籍で発売されました。 今回は大阪ドーナッツクラブのメンバーで共訳し、これまでのアゴスティ著の翻訳者であり、弊グループの代表 野村雅夫が監修を行いまし…

アゴスティ回顧映画祭@広島・横川シネマ その① FUNKIST染谷西郷ゲスト出演&ミニライブ(12/22)

この秋から冬にかけてはアゴスティづくし! 12/3-16の2週間は、東京は吉祥寺バウスシアターにてアゴスティ回顧映祭を開催しますが、その1週間もたたないうちに、広島・横川シネマでも回顧映画祭を開催します。横川シネマ!!は、「洋邦問わず、知名度には乏し…

大熊一夫さん×石川信義さん トークセッション 実現 !!

12/3(土)〜16(金)2週間にわたって開催のアゴスティ回顧映画祭 『イタリア映画界の異端児 アゴスティの世界』。12/9,10は上映後にトークイベントを予定しています。 12/10(土)は「日本で地獄を垣間見た大熊さんに聞く 精神病院を捨てたイタリアの現状」…

RHYMESTER 宇多丸さん 「アゴスティ入門」トークショー 出演決定 !!

12/3(土)〜16(金)2週間にわたって開催のアゴスティ回顧映画祭 『イタリア映画界の異端児 アゴスティの世界』。 12/9(金)と10(土)にはトークショーを予定しています。弊グループの代表であり、アゴスティの著書の翻訳家でもあり、アゴスティの映像作…

TBSラジオ「キラ☆キラ」で紹介されました!

9/28(水)、TBSラジオの人気番組「キラ☆キラ」(パーソナリティは小島慶子さん)でドーナッツクラブのことをご紹介いただきました。 水曜日のパートナー、ライムスター宇多丸さんが最近気になることを話されている「ペラ☆ペラ」で、代表の野村雅夫(ポンデ雅…

イタリアからの手紙9:「ナポリを見て死ね」 エルネスト・テデスキ

近年、日本でも取り沙汰されるナポリの話題は決してよろしいものではありません。ゴミ処理問題に犯罪組織カモッラの活動。それでも「ナポリを見て死ね」のことわざが表すような、風光明媚な町であることには変わりないのでしょうか? 今回はナポリ近郊の生ま…

イタリアからの手紙8:「トリノの大木」 ミケーレ・シューティ

トリノの文化団体「読書人サークル」(Circolo dei lettori、以下ではサークルを意味するイタリア語「チルコロ」と表記します:イタリア語のサイトはこちら)に興味を持ったのは、ミニマムファックス社から出版された現代イタリア文学のアンソロジーの奥付に…

イタリアからの手紙7:「さようならイタリア、または統一150周年の話」 ジョルジョ・マリア・カヴァリエーリ

ぼくのちょっとしたセッティング・ミスによって再びイタリア統一150周年の話です。先々月の市長選では意外や意外、ミラノをはじめ中道左派が大きく勝利したようですね。これでまた状況が一つ変わるのでしょうか? 私たちの愛するイタリアはどうなるのでしょ…

「イタリア映画界の異端児 アゴスティの世界」回顧上映会 残すとこ後2日!!!

4/16から2週間にわたって開催中の「イタリア映画界の異端児 アゴスティの世界」。 関西だけでなく、遠く東京方面からお運びいただいた方もいらっしゃいます。 残り2日間しかありまえんが、ぜひ神戸・元町映画館へお越しください!4/28(木)の上映は、『ク…

「イタリア映画界の異端児 アゴスティの世界」 回顧上映会開催中です!

4/16から2週間に渡って開催中の「イタリア映画界の異端児 アゴスティの世界」。 初日、代表の野村ポンデ雅夫がアゴスティ入門のトークショーを行いました。ご来場のお客様が、アゴスティ監督の生い立ち、映画制作の特徴、アゴスティ監督作品について、ブログ…

「イタリア映画界の異端児 アゴスティの世界」@元町映画館 開幕!

どうも、僕です。いよいよ昨夜から、神戸の元町映画館でのアゴスティ回顧上映会がスタートしました。 実は今回からは、アゴスティ監督にごり押しをして、上映素材をを大幅に改善しているんです。現状の監督が持っている最良のプリントから新たにHDでテレシネ…

『ふたつめの影』上映と松嶋健氏公演のお知らせ 元町映画館 大木正俊

元町映画館の大木氏に『ふたつめの影』についての文章をお書きいただきましたので、ドーナッツクラブ・ブログにも載せました。 - 『ふたつめの影』上映と4月23日(土)松嶋健氏講演のお知らせ 元町映画館 大木 正俊2000 La seconda ombra 『ふたつめの影』 (監…

イタリアからの手紙6:「ヴァチカン図書館の内側」 ロベルタ・コスタ

今年の3月17日は、イタリア統一150周年の記念日で、ローマでも大々的に祝典が行われました。今回はイタリアの歴史を振り返り、過去の功績や遺産を見直してみようと思い、ヴァチカン図書館の研究生ロベルタ・コスタさんに記事を書いてもらいました。(ハムエ…

イタリアからの手紙5:「ドキュメンタリー映画プロデューサーの苦悩」 フェデリーコ・ミネッティ

「アカデミー賞にイタリア映画は一本もノミネートされず」という記事を二週間ほど前に読んだ。イタリアの映画業界の停滞に関する記事は、ヴェネツィア映画祭やカンヌ映画祭の時期にもよく見受けられ、そして決まって文化活動省の大臣、サンドロ・ボンディ(Sa…

新しい翻訳プロジェクト、今日から始動!:92の短い長編小説

どうも、僕です。バレンタインデーを「ばれたらいかんデー」と自分に言い聞かている大人もいるようですが、大阪ドーナッツクラブ的には、今日は「ばれてもええデー」なんです。これまでひた隠しにしてきた翻訳プロジェクト(そこまででもないか…)が、いよい…

日伊のコメディーが時空を超えて対決!

どうも、僕です。先日発行したメールマガジンでも触れましたが、今週末は大阪で楽しく笑えてタメになりそうな催しがあるので、このブログでも再度ご紹介です。日本の狂言とイタリアの仮面劇コンメディア・デッラルテ(Commedia dell'arte)。どちらも伝統に…

雲の上の本たち

どうも、僕です。イタリアの本文化ってすごいものがあるんですよね。たとえば、本を作る学校なんてものが国立であったりする。物質としての本の魅力。手触りに匂いに書棚での存在感。中には世界に一冊しかない手作りの本なんてものもあったりするわけです。…

イタリアからの手紙4:「イタリアの大学」 エンリーコ・ジュリア

こんにちは。ハムエッグ大輔です。 12月にイタリアでは大きなデモがありました。動画を見てもわかる通り、その様相はちょっと驚くくらい激しいもので、ローマ以外にも例えばピサでは斜塔が占拠されたりしました。目的は複数あるのですが、その最たるものは教…