京都ドーナッツクラブのブログ

イタリアの文化的お宝紹介グループ「京都ドーナッツクラブ」の活動や、運営している多目的スペース「チルコロ京都」のイベント、代表の野村雅夫がFM802で行っている映画短評について綴ります。

イタリア

『ようこそ、大統領!』をNetflixで観てみよう

どうも、僕です。野村雅夫です。ここ20年ほど、日本で公開されているイタリア映画は、主にゴールデンウィークのイタリア映画祭でまずお披露目され、その中のいくつかが劇場公開、そしてソフト化という流れがありました。ただし、数年経って廃盤になったDVDは…

イタリア映画『家族にサルーテ!イスキア島は大騒動』レビュー

ガブリエーレ・ムッチーノ監督が12年ぶりに活動拠点をイタリアへ戻した。 僕が彼の名前を知ったのは、『最後のキス』(L’ultimo bacio、2001年)だった。30がらみの男性たちのピーターパン・シンドロームをえぐるように描いたこの作品は、その年のイタリアの…

イタリア映画『幸福なラザロ』レビュー

第71回カンヌ国際映画祭で脚本賞を獲得し、日本での公開が待たれていた、アリーチェ・ロルヴァケル監督の『幸福なラザロ』(原題『Lazzaro felice』)。イタリア映画の日本公開への道筋として定石となっているイタリア映画祭を経由せず、ダイレクトに4月19日…

映画『ザ・プレイス 運命の交差点』レビュー

花粉症がヤバい季節になってきたね。マスクは花粉症からの有効な防御アイテムだけど、昨今は、ファッションアイテムとしての位置を完全に確立させてもいる。マスクイケメン、マスク美女なんて言葉もあるくらいだからね。 マスクには小顔効果や肌年齢を隠すな…

内田洋子『モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語』レビュー

小学生のころ、年に何度か家族で曾祖母の家を訪ねていた。そのときの楽しみのひとつが、古本屋へ行くことだった(私のお目当ては漫画)。商店街に面した古くて暗いビルの1階に、こぢんまりとした店があった。壁も本でできているのかと思うくらいに書物がひ…

『グリーンブック』短評

FM802 Ciao Amici!109シネマズDolce Vita 2019年3月7日放送分 映画『グリーンブック』短評のDJ's カット版です。 1962年。ニューヨークの高級クラブ、コパカバーナで用心棒として働くイタリア系のトニー・リップ。教養も品もないものの、機転が利く言葉巧み…

イタリア映画『愛と銃弾』公開記念レビュー

どうも、僕です。ポンデ雅夫こと、野村雅夫です。僕たち京都ドーナッツクラブが字幕制作を担当したイタリア映画『愛と銃弾』が、現在、全国で順次公開されています。大阪は2月1日からシネ・リーブル梅田、そして京都は2月9日から京都シネマでの上映がスター…

映画「いつだってやめられる」三部作DVD-BOX発売記念レビュー

十数年前、私が大学院に進学した頃の大学には、改革の波が到達していた。イタリア関係の学術界はもともと大きくないこともあって、ある先輩は大学でイタリア語を教えたいと夢見ていたものの、諦めることにしたようだと聞いた。別のある先輩も、そこで生きて…

イタリアの移民児童文学『ぼくたちは幽霊じゃない』書評

アルバニアから対岸のイタリアへ命がけで海を渡ったヴィキは,どんな困難なときも希望を失わなかった…(岩波書店サイトより) 今年6月、イタリアは難民の人々を乗せたNGOの船『アクエリアス』の受け入れを拒否した。新聞等で目にされた方もいるだろう。ヨー…

山岳文学の新しい峰『帰れない山』

不定期に行っている習慣、本屋パトロール。より目を光らせる海外文学の棚で見つけたのが、新潮クレスト・ブックスから10月末に出た『帰れない山』。著者はパオロ・コニェッティ(Paolo Cognetti)。僕と同い年の1978年、ミラノ生まれ。はて、どこかで見た名…

『君の名前で僕を呼んで』短評

FM802 Ciao Amici!109シネマズDolce Vita 2018年5月3日放送分 『君の名前で僕を呼んで』短評のDJ's カット版です。 1983年夏。北イタリアの小さな町(メインのロケ地はクレーマというロンバルディア州の町で、人口は3万5千人ほど)を舞台に、家族で夏を過…

イタリア・マルケ州のおいしい料理と人

マルケ州と聞いてその街並みが頭に浮かぶ人ってどのくらいいるのでしょうか。 首都ローマのあるラツィオ州や花の都フィレンツェを擁するトスカーナ州に比べると、まだまだ日本での知名度の低いマルケ州。中部イタリアに位置し、アドリア海とアペニン山脈に囲…

欧米で社会現象化の小説『リラとわたし』クロスレビュー

翻訳家集団でもある京都ドーナッツクラブのメンバーは、定期的に開く会議の場で、イタリア文学の最新事情について情報交換をすることがある。そこで何度か話題にのぼっていた作家が、エレナ・フェッランテだ。 イタリアとアメリカでそれぞれ100万部以上を売…

「バルゼッレッテ」でイタリアを楽しもう!

「バルゼッレッテ」でイタリアを楽しもう! 3月19日開催、京都ドーナッツクラブ主催イベントのお知らせです。 バルゼッレッテ(バルゼッレッタ)とは、イタリアのジョーク、笑い話のこと。バルゼッレッテを通してイタリアを見れば、イタリアの流行、文化、ユ…

京都ドーナッツクラブメルマガ 第30号

こんにちは!めっきり涼しくなった京都の片隅で ドーナッツクラブは色々躍進していますよ。 ★アゴスティ監督作品、待望のDVD化! ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ドーナッツクラブが日本で紹介し続けている、 シルヴァーノ・アゴスティ監督作品がついに日本初DVD…

葡萄のSAKEBI #9 サルデーニャ編

イタリアの安くて美味しいワインを州や地域ごとに楽しむため目的で始めた「葡萄のSAKEI」。 9回目を迎えた今回は、サルデーニャ州のワイン6種類と郷土料理を楽しみつつ、サルデーニャ島に思いを馳せました。 毎回、ゲストを招いていますが、今回は、高校生の…

11月9日 西尾孔志監督トークショー@第七藝術劇場

レイトショーの後ということで、少し遅めに始まったトークショー。この日上映された2本の映画、『フィルムがない!』(Il caricatore, 1996)と『ただ彼女と眠りたかっただけなのに』(Volevo solo dormirle addosso, 2004)を鑑賞された西尾孔志監督が、ドーナ…

フェリーニの遺言

先日、映画を観て衝撃を受けた。その映画というのは『ファントッツィ、皆と対立』(Fantozzi contro tutti, 1980)だ。パオロ・ヴィラッジョ演じるファントッツィといえば、イタリアで知らない人はいないコミック映画の主人公。1968年にテレビドラマとして人気…

伊田広行さんを迎えてのトークショー『陽気なイタリア社会の困難な現状』

さる9月14日、元・立誠小学校特設シアターで、ドーナッツクラブ配給の映画を上映後、チルコロ京都でトークショーを実施しました。その日上映された『ただ彼女と眠りたかっただけなのに』は、主人公の青年が、人件費削減のため、同じ会社で働く社員の中から25…

マッシモ・ガウディオーゾの青春時代

『フィルムがない!』(Il caricatore, 1996)は、少ない資金でなんとか映画を撮影しようと奮闘する三人の若者を描いたコメディー映画である。若者たちのうちの一人が、現在テレビや映画で活躍する監督エウジェニオ・カプッチョなのだが、実は残りの二人も、イ…

愛嬌でモテる色男ヴォーロ

ファビオ・ヴォーロことファビオ・ボネッティは、まだ小学生だった頃、ある映画が大好きだった。アルベルト・ソルディ監督作品の『私が知っていることを君が知っていると私は知っている』(Io so che tu sai che io so, 1982, 日本未公開)。自分と同姓同名の…

このゴージャスで美しく知的な風貌の女性を、ご存知だろうか?

(出典:Franca Rame:Teatro, politica. http://www.francarame.it/it)女優であり、劇作家であり、政治家であった女性、フランカ・ラーメ(Franca Rame)。 彼女が、2013年5月29日、夫ダリオ・フォー(Dario Fo)に看取られ、イタリア北部の自宅で永眠した…

代表 野村雅夫の新番組情報

おはようございます。 いよいよ今日から新年度です。 代表 野村雅夫が担当するラジオ番組が今日から変わります。 これまでと変わりがないものを含めてお知らせします。InterFM(東京) 『Mondo Musica』(新)毎週月曜日〜木曜日 18:00-20:00 FM802(大阪…

皆様、こんばんは。 日本各地で桜の満開情報が聞こえておりますが、いかがお過ごしでしょうか。 ドーナッツクラブからのイタリア関連のイベント・映画・書籍のご案内です。=直近のイベント= ■イタリアブックフェア 東京のイタリア文化会館で、今年も、イタ…

「戦争とファシズム」映画祭

11/30(金)〜12/2(日)の3日間、北大阪の十三にある、第七藝術劇場にて開催された「戦争とファシズム」映画祭。 おもしろい社会をカタチするプロジェクト「AIBO−Action Incubation Box Osaka」が11/23(祝)〜12/2(日)の10日間にわたって開催した「大阪…

童話のクマのやさしさ

古今東西、童話に出てくるクマは、どれも共通の特徴を持っている。それというのは、ライオンやオオカミに引けを取らない猛獣のはずなのに、どこかかわいくて、やさしさまでも感じるというところ。例えばイギリスの童話『三びきのくま』。留守中のクマの家に…

KBS京都ラジオに野村雅夫出演!

昨日11/4(日)、KBSラジオ京都「伊舞なおみのみんながメダリスト」に、代表野村雅夫が、翻訳家として出演しました! 実は、野村が翻訳した絵本『剣を持ったクマ』を、電子絵本として出版することになった際、ラジオに関わっている人間なので、せっかくなら…

Top Italian Wines Road Show

イタリア版のミシュランと称されるガンベロ・ロッソ。「赤いエビ」という意味で、由来は童話『ピノッキオの冒険』に出てきた酒場のこと。もともとはイタリア国内のレストランを格付けする雑誌だったのですが、現在は料理教室やテレビ番組の制作など、食に関…

LIGHT ON THE WILD アレッサンドロ・ベーの新しいウェブサイト

どうも、僕です。ポンデ雅夫こと、野村雅夫です。2006年のことだから、もうずいぶん前のことになってしまいましたが、ドーナッツクラブは大阪のブックカフェ「ワイルドバンチ」で写真展を開催しました。アレッサンドロ・ベー(Alessandro Bee)という、自然…

カタツムリもビールがお好き!?

どうも、僕です。ポンデ雅夫です。久しぶりにもほどがあるブログへの登場なのに、「話題がビールって!」と思った方もいるやもしれませんが、どうしても書きたかったのです。イタリアの地ビール事情の続報を。続報と言っても、以前の記事「伊太利亜地麦酒最…