エッセー
翻訳家集団でもある京都ドーナッツクラブのメンバーは、定期的に開く会議の場で、イタリア文学の最新事情について情報交換をすることがある。そこで何度か話題にのぼっていた作家が、エレナ・フェッランテだ。 イタリアとアメリカでそれぞれ100万部以上を売…
さる9月14日、元・立誠小学校特設シアターで、ドーナッツクラブ配給の映画を上映後、チルコロ京都でトークショーを実施しました。その日上映された『ただ彼女と眠りたかっただけなのに』は、主人公の青年が、人件費削減のため、同じ会社で働く社員の中から25…
どうも、僕です。ポンデ雅夫です。久しぶりにもほどがあるブログへの登場なのに、「話題がビールって!」と思った方もいるやもしれませんが、どうしても書きたかったのです。イタリアの地ビール事情の続報を。続報と言っても、以前の記事「伊太利亜地麦酒最…
ピエル・パオロ・パゾリーニ(Pier Paolo Pasolini)が初めて監督を務めた映画『アッカットーネ』(Accattone, 1961)の中に、主人公のアッカットーネとその友人たちがたむろするバールが出てくる。それが現在改装され、バール・ネッチというレストランにな…
ローマの和食店でアルバイトをしていたころ、犯罪事件に立ち会うことがあった。ある夜、売上金を入れたイタリア人オーナーの鞄が盗まれたのだ。 防犯カメラに映っていた犯人をにらむオーナー。反射的に警察に通報することを考えた私は、続くオーナーの言葉に…
ローマを知りたいなら図書館に行くべし、という自説を私は唱えている。これは、資料を求めて足しげく図書館に通った実体験に基づくものだ。ローマ市内にはさまざまな図書館があるのだが、ここで言及したいのは市立図書館のこと。市内を分ける19の行政区ごと…
イタリア語で「一文無し」を意味する「緑になる」(essere al verde)という慣用句。これは17世紀、競売で用いられていたろうそくの根元が、緑色に塗られていたことに由来する。ろうそくが溶けて緑色の部分にまで達したら、競売は終了。合図の代わりにろうそく…
「これからはベルルスコーニが恋しくなるだろう」。昨年末、英国タイムズ(Times)紙で活躍する風刺漫画家ピーター・ブルックス(Peter Brooks)は、「2011年を振り返って」というテーマの記事でそう発言した。風刺漫画家は相手が憎ければ憎いほど腕が振るう。イ…
どうも、僕です。イタリアの本文化ってすごいものがあるんですよね。たとえば、本を作る学校なんてものが国立であったりする。物質としての本の魅力。手触りに匂いに書棚での存在感。中には世界に一冊しかない手作りの本なんてものもあったりするわけです。…
こんにちは。ハムエッグ大輔です。 12月にイタリアでは大きなデモがありました。動画を見てもわかる通り、その様相はちょっと驚くくらい激しいもので、ローマ以外にも例えばピサでは斜塔が占拠されたりしました。目的は複数あるのですが、その最たるものは教…
どうも、僕です。いきなりですけど、大阪市営地下鉄堺筋線の長堀橋駅って最近通ったことあります?あそこって、今はホームを工事中なんですよね。あれはエレベーターでも設置してるのかな。ちょっと前になりますけど、NIGHT RAMBLER MONDAYのスタッフと一緒…
どうも、僕です。この前、京都のビブリオテーク・カフェの2階で珈琲を飲んでくつろぎながら、うららかな午後を過ごしていた時のこと。2Fの開架は雑誌が充実しているので、世界のエアライン・ステッカーについて特集したものとか、各国のコアな情報誌をぱ…
どうも、僕です。この秋、紅葉狩りってもう行かれました?僕は先週末にようやく行ってきましたよ。僕の育ちの故郷、滋賀県は東近江市の永源寺。少し遅かったけど、それでも目を奪われるすばらしい紅葉でした。参道には、長く階段に十六体もの仏像が岩山のあ…
どうも、僕です。一昨日、11月27日に、今年もヒロTさんと共に誕生日を迎えました。めでたく年がひとつ増えました。その前日の午後、仕事で802に来る予定だった僕を狙って、世にも嬉しいサプライズがしかけられました。あんなに大勢の人に祝ってもらえて、僕…
どうも、僕です。大阪ドーナッツクラブを主宰しているだけあって、ドーナッツには目がありません。じゃあ、有名チェーンや話題のお店の新製品に詳しいかというと、そういうわけではないんです。ドーナッツに関しては、素朴で飽きの来ないものをこよなく愛し…
どうも、僕です。もともと散歩好きではありますが、昨日は正午過ぎから夜8時ぐらいまで、これでもかとそぞろ歩き倒して、自分でもその無駄な脚力に唖然といたしました。そうやってあてもなく街を歩くと、気になるものがたくさん目につくもの。昨日もいろい…
こんにちは。ハムエッグ大輔です。 ローマに住み始めてして早5年、折角現地にいることだし、もっとイタリアからの生の声を届けようといういうことで、今回から一年に渡ってさまざまなイタリア人の友達に文章を書いてもらおうと思います。第一回目はイタリア…
どうも、僕です。近所の美容院が店の前に出している黒板に「この残暑、なんざんしょ!」と書かれているのを目にして以降、一気に気温が下がって秋らしくなった気がします。昨日の京都音楽博覧会で、いわゆる夏フェスもすべて幕を下ろした感じ。くるりのアン…
どうも、僕です。今朝は長い長い夢を見ました。どういうわけか、自宅にいろんな動物が登場してくれて、その様子はさながらZOOだったんです。彼らの大方はかわいらしい姿を惜しげもなく僕に見せてくれて、「愛くるしいのぉ」とすっかり僕は油断していました(…
どうも、僕です。担当しているFM802のNight Rambler Mondayでもお話ししましたが、今月は久しぶりの登山をしに長野へ行ってきました。燕岳に登頂し、テント泊ならではの自炊やシュラフの上でのごろごろ読書や無駄話や無尽蔵に明滅する星空の観察を楽しんだの…
翻訳とは「同じことを他の言語で言うこと」だそうだ。そう言われてみると、翻訳という作業は言葉に特化したものに思えてくるが、例えば、前回扱った小説を映画化するというようなことだって、言ってみれば文字で書かれた内容を映像に翻訳しているわけである…
どうも、僕です。梅雨も明けて、いよいよ夏本番。京都は祇園祭の山鉾巡行が土曜日に行われまして、まぁそれはそれはすごい人出でした。ただ、僕は土曜日は大阪でスーツを着ないといけない会に出席してまして、朝から熱射が降り注ぐ中、そして祭で街が沸き立…
どうも、僕です。真夜中のお散歩系音楽プログラムであるNight Rambler Mondayの生放送を終え、京都に戻って早朝。ごくたまにではあるけれど、勢い余って朝のリアルな散歩をしてしまうことがある。細い通りがたくさん並ぶ京都の街は、足の赴くままにぶらぶら…
スローフード、スローライフ、ロハス…。目まぐるしく変化を続け、猛スピードで駆け抜けていく日常に疲れた現代人に、癒しというよりは束の間の現実逃避を与えてくれる清涼感のある言葉として登場したこれらカタカナ語は、形あるものだけでなく、概念的あるい…
どうも、僕です。昨日雨の中夜道を散歩していたら(もの好きだな僕も…)、こんな張り紙に遭遇しました。「ここらで チョット いっぷくしま ひょか」 そこはとある建設関係の会社のビル。煙草屋があるわけでも、カフェがあるわけでも、軒(のき)があるわけで…
どうも、僕です。日本対オランダ戦をドーナッツクラブの仲間たちとプラズマ越しに観戦して飲んだくれた翌日、生き残ったメンバーでふらふらと京都国立近代美術館へ行ってきた。低い低い梅雨空の下、雨の降っていない隙をついてぼんやりと美術館へ向かうのも…
どうも、僕です。今宵のNIGHT RAMBLER MONDAYにメッセージを届けてくれるTOTALFATの演奏テクニックなど、まさに「激」に値するものがありますが、もちろん音楽に限らず、世の中にはいろんな「激テク」をお持ちの偉人がいるわけです。写真のワゴンの運転手さ…
どうも、僕です。5月も最終日。今月はいろいろやりました。わけても印象に残っているのは、名古屋シネマテーク(Click!)での大阪ドーナッツクラブの上映会「アゴスティとモリコーネin名古屋」です。黄金週間中であるというのに、メンバーの誰にも縁がない…
どうも、僕です。このブログをよくご覧いただいている方なら、既にご存じかとは思いますが、僕はイタリアの文化を日本に紹介するグループ、大阪ドーナッツクラブを主宰しています。大学の内輪で続けてきた活動を発展させる形で本格的に結成したのが2005年初…
どうも、僕です。明日は東京へ行ってきます。久しぶりのおのぼりさん。僕は関西人らしく何かにつけて東京を好ましく思っていないので(特に理由はありません)、あの魔都に遊びに行くなんてことはまずないのだけれど、いくら仕事とはいえ、新幹線に乗って移…