京都ドーナッツクラブのブログ

イタリアの文化的お宝紹介グループ「京都ドーナッツクラブ」の活動や、運営している多目的スペース「チルコロ京都」のイベント、代表の野村雅夫がFM802で行っている映画短評について綴ります。

欧米で社会現象化の小説『リラとわたし』クロスレビュー

翻訳家集団でもある京都ドーナッツクラブのメンバーは、定期的に開く会議の場で、イタリア文学の最新事情について情報交換をすることがある。そこで何度か話題にのぼっていた作家が、エレナ・フェッランテだ。 イタリアとアメリカでそれぞれ100万部以上を売…

【読めるかな?】八〇二美武麗男罵倒瑠部第一回満員御礼!

大阪新町のラポーティアで開催された802ビブリオバトル部。記念すべき第1回は、満員御礼で幕を閉じました。ご来場いただいた皆さん、そして、お誘いいただいた先輩DJ浅井博章さん、どうもありがとうございました。 僕が紹介したのは都築響一夜露死苦現代詩 …

京都ドーナッツクラブメルマガ 第30号

こんにちは!めっきり涼しくなった京都の片隅で ドーナッツクラブは色々躍進していますよ。 ★アゴスティ監督作品、待望のDVD化! ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ドーナッツクラブが日本で紹介し続けている、 シルヴァーノ・アゴスティ監督作品がついに日本初DVD…

皆様、こんばんは。 日本各地で桜の満開情報が聞こえておりますが、いかがお過ごしでしょうか。 ドーナッツクラブからのイタリア関連のイベント・映画・書籍のご案内です。=直近のイベント= ■イタリアブックフェア 東京のイタリア文化会館で、今年も、イタ…

童話のクマのやさしさ

古今東西、童話に出てくるクマは、どれも共通の特徴を持っている。それというのは、ライオンやオオカミに引けを取らない猛獣のはずなのに、どこかかわいくて、やさしさまでも感じるというところ。例えばイギリスの童話『三びきのくま』。留守中のクマの家に…

KBS京都ラジオに野村雅夫出演!

昨日11/4(日)、KBSラジオ京都「伊舞なおみのみんながメダリスト」に、代表野村雅夫が、翻訳家として出演しました! 実は、野村が翻訳した絵本『剣を持ったクマ』を、電子絵本として出版することになった際、ラジオに関わっている人間なので、せっかくなら…

図書館は町を知るチャンス

ローマを知りたいなら図書館に行くべし、という自説を私は唱えている。これは、資料を求めて足しげく図書館に通った実体験に基づくものだ。ローマ市内にはさまざまな図書館があるのだが、ここで言及したいのは市立図書館のこと。市内を分ける19の行政区ごと…

『見えないものたちの踊り』発売!

本日、11/25 シルヴァーノ・アゴスティ著の『見えないものたちの踊り』が電子書籍とオンデマンド書籍で発売されました。 今回は大阪ドーナッツクラブのメンバーで共訳し、これまでのアゴスティ著の翻訳者であり、弊グループの代表 野村雅夫が監修を行いまし…

TBSラジオ「キラ☆キラ」で紹介されました!

9/28(水)、TBSラジオの人気番組「キラ☆キラ」(パーソナリティは小島慶子さん)でドーナッツクラブのことをご紹介いただきました。 水曜日のパートナー、ライムスター宇多丸さんが最近気になることを話されている「ペラ☆ペラ」で、代表の野村雅夫(ポンデ雅…

イタリアからの手紙6:「ヴァチカン図書館の内側」 ロベルタ・コスタ

今年の3月17日は、イタリア統一150周年の記念日で、ローマでも大々的に祝典が行われました。今回はイタリアの歴史を振り返り、過去の功績や遺産を見直してみようと思い、ヴァチカン図書館の研究生ロベルタ・コスタさんに記事を書いてもらいました。(ハムエ…

新しい翻訳プロジェクト、今日から始動!:92の短い長編小説

どうも、僕です。バレンタインデーを「ばれたらいかんデー」と自分に言い聞かている大人もいるようですが、大阪ドーナッツクラブ的には、今日は「ばれてもええデー」なんです。これまでひた隠しにしてきた翻訳プロジェクト(そこまででもないか…)が、いよい…

雲の上の本たち

どうも、僕です。イタリアの本文化ってすごいものがあるんですよね。たとえば、本を作る学校なんてものが国立であったりする。物質としての本の魅力。手触りに匂いに書棚での存在感。中には世界に一冊しかない手作りの本なんてものもあったりするわけです。…

イタリアからの手紙3:「新しい文学の潮流」 カロリーナ・クートロ

こんにちは。ハムエッグ大輔です。 電子ブック元年といわれかけた2010年ですが、実際は元年というよりは零年だったのではないか、と思います。ここイタリアにおいても、結局、まだまだ iPadの普及率は低く、日常生活で出会うことはないです。とはいいつつも…

芸術は爆発だ! 本職は人間だ!

どうも、僕です。この前、京都のビブリオテーク・カフェの2階で珈琲を飲んでくつろぎながら、うららかな午後を過ごしていた時のこと。2Fの開架は雑誌が充実しているので、世界のエアライン・ステッカーについて特集したものとか、各国のコアな情報誌をぱ…

おススメの本 『遠い水平線』 アントニオ・タブッキ著

「何故あの人が死に、私は生きているのか」 数年前、幼い日を共に過ごした友人が亡くなったと聞いて、すぐさま実感など湧かず、しかし、遺影とお骨になった姿を見てはじめて、言いようのない動揺が襲ってきました。死という現前とした事実を前にしてそんな想…

『アンドレアとマルタの冒険』(IL VIAGGIO DI ANDREA PORCELLO E CAPRA MARTA ):ロベルタ・ゴルニ

長い旅から帰ってきたコウノトリの土産話を聞いた、 こぶたのアンドレア君とこやぎのマルタちゃん。 二匹はいてもたってもいられなくなって、旅に出ることにします。 しっかり長旅の準備をしたにもかかわらず おいしいお菓子のにおいに誘われてさっそくの寄…

『ペルシャ猫を誰も知らない』&『おっぱいとトラクター』

どうも、僕です。土日はワンデイ登山にサイクリングと、アウトドアで英気を養いました。 やっぱり秋は気持ちいいね。どこへ行って何をしても、そこが晴れてさえいれば、即○○日和になる、そんな雰囲気の週末でしたね。でも、油断は禁物で、さすがに夜は冷えて…

ツィスティー、母子共に雑誌掲載!

どうも、僕です。ちょうど今日、僕のやってる大阪ドーナッツクラブでは、久しぶりにメルマガを発行した。イカしたイタリア文化を紹介することを中心とした僕らドーナッツの活動だが、それぞれがあちこちで独自に動いていて、そういう報告を受けるのがとても…

『まっくろくろの おばけちゃんの ぼうけん』 デヴィッド・カリ〜

まっくろくろの島に住む、まっくろくろのおばけちゃんは写真を撮るのが大好き。 でも、なんでもかんでもまっくろくろの島では写真もまっくろくろ。 キレイな写真が撮れる島に行きたい! 相棒のまっくろくろコウモリさんと一緒に船に乗って、さぁ冒険です。 …

どちらのPRよ!?

どうも、僕です。近所の美容院が店の前に出している黒板に「この残暑、なんざんしょ!」と書かれているのを目にして以降、一気に気温が下がって秋らしくなった気がします。昨日の京都音楽博覧会で、いわゆる夏フェスもすべて幕を下ろした感じ。くるりのアン…

おススメの本 『アルトゥーロの島』 エルサ・モランテ著 2010/09/20

ナポリの海に浮かぶ、火山活動によってできた観光客もほとんど訪れない小さな島。島を出て放浪する父の帰りを待ちながら、自らを産み落としたときに亡くなった母を星座のなかの女王のように憧れ、ひとり気ままに、美しい自然のなか、少年時代の王国を小さな…

アントニオ・ペンナッキ『ムッソリーニ水路』

『ムッソリーニ水路』(Canale Mussolini、Mondadori、2010)という小説で、アントニオ・ペンナッキ(Antonio Pennacchi)が今年のストレーガ賞を獲得した。 ペンナッキ(画像下)は1950年、ローマ近郊のラティーノ(Latino)という町で生まれる。50歳まで工…

『さようなら ぼくの こりす』 フルビオ・テスタ〜

作・絵:フルビオ・テスタ / 文:神沢利子 きこりが森から持ち帰った子リス。 きこりから息子へのかわいいおみやげです。 少年と子リスはすぐに仲良くなりました。何をするにも一緒。 ある日、少年と子リスは森へでかけます。 生まれた場所へやってきた子リ…

精神医療にもっと頓着しよう     (旧ウェブサイトコラム『ローマから遠く離れて』)

イタリアの高名な精神科医に、フランコ・バザーリア(Franco Basaglia)という人がいた。精神医療など門外漢もいいところの僕でもその名前と功績を知っているのは、マルコ・トゥッリオ・ジョルダーナ(Marco Tullio Giordana)監督の『輝ける青春』(La megl…

おススメの本 『モンテ・フェルモの丘』 ナタリア・ギンズブルグ著

最近の楽しみの一つに、河出書房新社からここ数年来をかけて刊行されている世界文学全集があります。作家の池澤夏樹さんが個人編集で選んだ20世紀後半の作品群が、ポップなカラーの背表紙で本屋に並んでいます。従来の古典作品を排したこの新しい世界文学全…

『きりのなかのサーカス』ブルーノ・ムナーリ〜

霧が立ち込めるミラノ。ぼんやりとした街をぬけて向かう先は…。霧煙る街と色とりどり楽しいサーカスという幻想的な世界を描いた作品。素材と、本というメディアの特徴を最大限に活かして表現された視覚的にも楽しい絵本です。 イタリアの絵本といえば日本で…

映画をつくる

映画と小説が強く結びつくようになったのはいつごろのことだろうか。小説を原作として映画がつくられるという関係だけにはとどまらず、脚本家が、小説を書いたり、小説家が脚本を書いたり、小説家が映画監督をしたり、映画監督が小説を書いたりしている。実…

おススメの本 『月とかがり火』 チェーザレ・パヴェーゼ著 

私生児として育った主人公が、貧しい養い親の元を離れ青年となり、海を渡り、世界中を次々と逃げ出すように放浪した後、財をなして育った村に帰ってきたところからこの小説は始まります。夏の休暇が終ればやがて都会の喧騒に帰っていかなければならない主人…

おススメの本 『思いではそれだけで愛おしい』 ダーチャ・マライーニ著

この作品は、劇作家である五十代の女性ヴェーラが、歳の離れた若い恋人の六歳の姪である少女フラヴィアに書き続けた十六通の手紙からなっています。読み始め、まるで他人の恋文か秘密の交換日記を読んでいるような気恥ずかしい気持ちが溢れてきます。それほ…

イタリアブックフェアでのトークショー@イタリア文化会館 東京

どうも、僕です。明日は東京へ行ってきます。久しぶりのおのぼりさん。僕は関西人らしく何かにつけて東京を好ましく思っていないので(特に理由はありません)、あの魔都に遊びに行くなんてことはまずないのだけれど、いくら仕事とはいえ、新幹線に乗って移…

おススメの本 『なぜ古典を読むのか』 イタロ・カルヴィーノ著 

――― 今日比較研究をやっていく場合に一番重要な課題は何かというと、文化は普通そうは考えられていないけれども、危機、クライシスに直面する技術であるということね。――― 文化人類学者の山口昌男氏のこの言葉は、作家の大江健三郎さんが、定期的に朝日新聞…

第15回日本絵本賞 読者賞を受賞して

“水おとこ”との出会いは、私にとって偶然、運命的としかいいようのないものでした。 翻訳コンクールの課題図書として私の手元にやってきた“水おとこ”は静かに私を潤 し、幸運の泉をもたらしてくれたのかもしれません。 コンクールで賞をいただいたうえに出版…

おススメの本 『木のぼり男爵』 イタロ・カルヴィーノ著

多彩な作風で知られるイタリアの国民的作家であるイタロ・カルヴィーノの作品は日本でも多数翻訳されているが、今回紹介するのはこれ。 「われわれの祖先」と題された三部作のうちの一つである。 1767年、12歳のある日、家族に反逆して樹上生活を始める男爵…

物差しでは測れない心と心の距離 〜素数たちの孤独〜      (旧ウェブサイトコラム『ローマから遠く離れて』)

2008年のイタリア文学界は、ストレーガ賞を受賞した『素数たちの孤独』(La solitudine dei numeri primi、パオロ・ジョルダーノ<Paolo Giordano>、飯田亮介訳、早川書房、2009年)の話題でもちきりだった。ひとつの現象と言ってもいいくらい。2年たった…

人種差別戦線イタリア

2010年、年明け早々、カラブリア州の小都市、ロサルノでアフリカ系黒人労働者たちが、不当な労働条件を訴えて暴動を起こした。暴動自体は2日間で収まったが、事件の波紋はそれ以降も収まる様子がない。すぐさま各メディアから激しい批判を喰らったロサルノ…

おススメの本『タタール人の砂漠』 ティーノ・ブッツァーティ著

北の砂漠からいつ来るとも知れぬタタール人の襲来に備えて存在し続ける辺境の砦。 すべての色彩を失ってしまったかのようなその要塞で、三十余年を過ごし、やがて死を迎える男の物語。 軍人として栄光を望むこころと、何も起こらないまま一生が終るのではな…

学芸カフェ、スタート!

どうも、僕です。もう長年(といってもいいでしょうね)担当させていただいている学芸出版社のウェブサイト上コラム連載。2010年もお話をいただきまして、先日、初回が無事にアップされました。企画は今年もスタジオOJMM(設計・研究・翻訳)さんです。…

悪人とガツン!

どうも、僕です。先日誕生日を迎えて31歳になり、いよいよ20代と完全に切り離されたような気がして、風貌と内面のみならず、これからは年齢と内面のギャップにも苦しんでいかざるを得ないのではなかろうかと難しい顔をして友人に語ってみたところ、「そうか…

モスキート・メトロ

どうも、僕です。かなりご無沙汰してしまいました。京都姉妹都市映画祭で上映したイタリア人映画監督シルヴァーノ・アゴスティの紹介やら字幕やら準備やらに大わらわ、さらには今月末に発売する同じくアゴスティ小説第二弾の訳校正に追われ(また改めて告知…

自分の居場所 『水おとこのいるところ』

『水おとこのいるところ』 (L'uomo d'acqua e la sua fontana、2008) イーヴォ・ロザーティ著 ガブリエル・パチェコ絵 ひらいたままの蛇口から生まれた、水おとこ。 そんな水おとこに対して人々は、騒ぎ立て、捕らえようと追い回し・・・。 異世界に生れ落ち…

イタリアの絵本『水おとこのいるところ』オンセール!!

どうも、僕です。今月半ばくらいでしたかね、ブログの翻訳紹介コーナーに新しい仲間が加わるようになったんですけど、皆さん気づいてました?よく見ると、「MASAOの翻訳」だったものが、「MASAOと大阪ドーナッツクラブの翻訳」ってなってますよね。このたび…

シンクロニシティー

どうも、僕です。前にも書いたように、今月から専門学校での授業を担当している。もう結構長い間やっている講座なので、自然と足が学校へ向く。水曜日、授業を終えてから、僕はもうひとつの専門学校へ足を運んだ。専門学校のはしごなんて、なかなかしない。…

「豆腐でカプレーゼ」と「さわらのサワークリーム」

どうも、僕です。先週末は久しぶりに夜のクラブ活動ということで、木屋町のコラージュで、α-STATIONの関係者でごった返す“buggin' out”に行ってきました。プロデューサーのFさんやスタッフの皆さんには、いろいろとごちそうになり、DJのポールさんやリス…

イタリア・ジャーナリズムの現在・過去・未来 その2

4月某日、今度はアウディトリウムで行われた“Le grandi lezioni di giornalismo(ジャーナリズムの大いなるレッスン)”に参加する。月に1回、著名なメディア関係者が壇上で講演をするというイベントで、最終回の今回は大手新聞社『テンポ』(il Tempo)編…

イタリア・ジャーナリズムの現在・過去・未来 その1

マルコ・リーズィ(Marco Risi)の映画『フォルタパスク』(Fortapa`sc、2009年)を鑑賞する。1985年ナポリの犯罪組織カモッラに暗殺された若きジャーナリストの話だ。主人公ジャンカルロ・シアーニ(Giancarlo Siani)が作中でメモ帳に走り書きをする。カシ…

KAO展、見参!

どうも、僕です。先日、仕事の息抜きにと、お昼に出町デルタでコロッケをパクつきながら、うららかな春爛漫の陽気の下で花見と洒落こんでいたところ、しめの一口を鷲だか鷹だか鳶(とんび)だかに持っていかれました。泣くに泣けませんでした。背後から突然…

コッリエーレ・デイ・ピッコリ展

現在ミラノでコッリエーレ・デイ・ピッコリ(Corriere dei piccoli)展が行われている。コッリエーレ・デイ・ピッコリとはイタリア最大の売り上げを誇るコッリエーレ・デッラ・セーラ(Corriere della sera)の増刊として週1回、1908年から1995年まで刊行さ…

フロストにぞっこんラブ

どうも、僕です。昨日の夜、ベッドで悲しい出来事がありました。といっても、別に女性に絡んだ話ではありません。ここしばらく読みふけっていたフロストシリーズの最新訳を読了してしまったのです。その何が悲しいんだとおっしゃる向きもあるかもしれません…

With A Little Help From My Favorite Musicians

どうも、僕です。18日の SWINGIN’ SUNDAY を引きずって、もう少し受験のトピックでお付き合いください。今日は英語のお話。ボキャブラリーやイディオムを増やすときに、僕はよく音楽の歌詞を使っていました。洋楽を楽しみながらも、ジャケットを精読するわけ…

中庭にある風景 〜エピローグ〜

このあいだパリに行ったとき、シャンゼリゼ通りにあるラデュレというお菓子屋さんに立ち寄りました。マカロンという名のお茶菓子が非常に名高いラデュレは、東京の銀座かどこかにも店舗があるらしいのですが、天下のシャンゼリゼ通りにある本店の門構えはや…