角野チュロス
僕はイタリアの政治に関してはほとんど門外漢なので、「イタリア・レジスタンス」と言われても、第二次大戦中に一般のイタリア人がファシズム・ナチズムに抵抗して、ムッソリーニをやっつけた、ということ以外にピンと来なかったのですが、ひとえにレジスタ…
あの人は右翼だとか左翼だとか、人の政治的主張を「右と左」で分類することがよくあります。たとえば、日本では天皇制を否定し、日本の植民地政策に批判的で、日米安保条約に反対する人は左翼、その逆は右翼だということになり、また、右翼と呼ばれる人たち…
周防正行監督の『それでもボクはやってない』(2007)という映画があります。話は就職活動中の冴えない若い青年(配役:加瀬亮)が、「やってない」のに女子学生に痴漢だと疑われ、逮捕されるところから始まります。彼は留置所に入れられ、警察からの一ヶ月…
今回はイタリアの政治思想家ニコロ・マキアヴェッリ(Niccolò Machiavelli)の『君主論』(Il principe)を読んで、思うところを書いてみたいと思います。マキアヴェッリの『君主論』。あなたがもし、将来、どこかの国の大統領になろうと考えているなら、彼…
前から気になっていたものがあります。よく言われることだと思いますが、「有力な敵が外にいれば内部の紛争を抑えることができる」という議論です。どういう話かと言いますと、たとえば、ある国で国民が政府への不満を募らせている。不満が爆発しそうだ。政…
今年の7月にイタリア旅行をしたとき、イタリア半島を北から南へと移動しました。北に位置するミラノ、ジェノヴァ、ヴェネツィアより、中部のローマ、南のナポリへ。北は落ち着いており、洗練されている印象を受ける一方、南部は活気があり、人情味あふれる印…
突然ですが、今イタリアにいます。ポンデ雅夫とファンシーゆずといっしょにイタリア滞在中なのです。リグーリア州(Liguria)の、ある片田舎のアパートの窓際でこの記事を書いています。イタリアを五感を使って堪能する毎日で、窓の外に目を向けると、澄んだ…
みなさんがお住まいの地域は梅雨に入りましたか? 僕の住む大阪はどうやら今週から梅雨入りらしく、生暖かい空気の中、空から雨がばらばらと降り出しました。じめじめしていますし、外に出るのが億劫になる、やっかいな季節です。それでも、一年に一回はやっ…
人はどのように自分の意見(政治的意見)をもつのでしょうか。たとえば、ある一人の愛国主義者がいた場合、その人はどうして愛国主義者になったのでしょうか。周囲の人間環境も一つの要因です。たとえば、父親が右翼だったか、または知人・友人がそうした思…
今回はイタリアの政治家・政治思想家アントニオ・グラムシ(Antonio Gramsci、写真下)についてです。この人は世界的に有名なイタリア人なので知っておいて損はないかな、ということで、今回はこの人について調べてみました。ただ、なんだかイメージとして、…
今回はイタリアのネオ・ファシズム(Neofascismo)についてです。ネオ・ファシズム自体はなにもイタリアに限った政治運動ではなく、世界中で見られるのですが、ここではイタリアのものを中心に見ていきたいと思います。 まず、ネオ・ファシズムとは何なのか…
今回はイタリアの知識人ピエル・パオロ・パゾリーニ(Pier Paolo Pasolini)についてです。特に彼の政治的スタンスに焦点を当てます。なぜパゾリーニなのかというと、映画『ペッピーノの百歩』の中で、主人公ペッピーノがパゾリーニの本を読んでいる場面があ…
今回は、マフィア(Mafia)について書きたいと思います。僕はマフィアというと、映画『ゴッド・ファーザー』シリーズのイメージしかなかったのですが、調べてみるとこれがなかなか奥が深いのです。それに映画『ペッピーノの百歩』の基本路線は、ペッピーノ青年…
映画『ペッピーノの百歩』(I cento passi 、2000年)は、1960年代にシチリアでマフィアと闘った青年ペッピーノを描いたノン・フィクションです。今回は映画の主人公であるペッピーノ(ジュゼッペ・インパスタートGiuseppe Impastato)が「反マフィア」とな…
どうも、チュロスです。コラム名が角野チュロスの『チュロ助 Go! Go!』ということで、初回である今回はまず、まさにこのコラムがどこへ行く(Go)のか、言い換えればどういった内容のコラムを目指すのかを簡単に示したいと思います。なお、このへんちくりんな…
日本ではあまり話題になりませんが、2008年1月、ロマーノ・プローディ(Romano Prodi)政権が崩壊し、シルヴィオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)が再び政権を握ることになりました。日本にいる僕には、「あっ、そうなんだ」というくらいの反応でしか…
「民主主義」というと、なんだか良いもの、価値あるものというイメージで捉えられています。日本や欧米では「民主主義の深化」が模索されたり、はたまた独裁制を脱したばかりの途上国の「民主化」が叫ばれたりするわけで、大枠では「民主主義っていいよね」…