京都ドーナッツクラブのブログ

イタリアの文化的お宝紹介グループ「京都ドーナッツクラブ」の活動や、運営している多目的スペース「チルコロ京都」のイベント、代表の野村雅夫がFM802で行っている映画短評について綴ります。

焼酎バーにて 4 〜池谷幸雄に酔いしれて〜 (旧ウェブサイトコラム『小噺パラダイス』)

どうも、有北です。
面食らう僕に、おばちゃんは続けてこう言いました。
「ほんまのメニューは、あの壁に書いてあるやつやから。壁に書いてるやつは、できるやつ。嘘のメニューに書いてるやつは、できへんやつもある。」
説明を聞いてもいまいちわからん。ほんまのメニューってなによ。ていうか、なんのために「嘘のメニュー」なんて置いてるのか目的がわからない。もう捨ててしまえよそんなもん。いらんだろう。普通テーブルにメニューがあったら客はそれを見て注文するんだから。このおばちゃんはその都度客に「あっ、そのメニュー嘘やから」と断っているのだろうか。めんどくさくないのか。ねえ。
ねえ。
結局おばちゃんが満足のいく答えをくれることはなかった。なんてストレスの溜まる店だ。僕は壁のメニューにあった豚キムチを注文した。満足げに厨房にひっこむおばちゃん。やれやれだ。
この時点で店に入って40分くらいは経過していた。その間店には客は僕一人しかおらず、貸切状態だったわけだが、おばちゃんが厨房に入って間もなく、もうひとりの客があらわれた。年の頃は30前くらいの、ごく普通の男性だった。今思い出せば、少々体操の池谷に似ていたような気がする。まあつまり見ようによってはいい男だったというわけだ。池谷は、僕がはじめあれだけおそるおそる店に入ったのとは対照的に、勢いよく店内に入ってきたかと思うと、おばちゃんとフランクに会話を交わす。
いったいこの男は何者なのだろうか?