京都ドーナッツクラブのブログ

イタリアの文化的お宝紹介グループ「京都ドーナッツクラブ」の活動や、運営している多目的スペース「チルコロ京都」のイベント、代表の野村雅夫がFM802で行っている映画短評について綴ります。

トラブル・オブ・サイクル 4 〜君もFallin'〜 (旧ウェブサイトコラム『小噺パラダイス』)

どうも、有北です。
慢心、すなわち、気のゆるみ。そのとき、気のゆるみが、筋肉までも緩ませたのに違いありません。腕の緊張が一瞬弛緩したのです。すると、どうなります? 当然の結果として、こわきに抱えていた手袋とマフラーがするすると地面に落ちてゆきます。
車道の真ん中で。
視界の隅でそれを捉えた僕は、バランスを崩しながらも手を伸ばし、なんとかマフラーは死守しました。しかし、一度にふたつは無理。手袋は依然宙を舞っています。
まずい。まずい。この手袋はただの手袋じゃない。数日前難波で見かけ、そのデザインと値段に Fallin' love して購入した新品の手袋です。迫る車。手を伸ばす僕。Fallin' love が、今まさにフォーリン。ああ、フォーリン・グラブ。「いくな!」。叫ぶ僕の手は宙を掻き、手袋が車道にライドオン。車は、もうそこまで。ああ、まずい。本格的にまずい。
やむをえん。
僕はついにブレーキを握った。甲高い音とともにチャリがストッピング。間一髪で手袋を救出し、寒風吹きすさぶ車道から脱出するためペダルに足をかける。
重い。
そうか、さらにプラス、5度の負荷が。ありえん。なぜ僕は自らいばらの道を。今何度だ。ええい、考えてる暇はない。だって、車がもう、目の前に。  (つづく)