京都ドーナッツクラブのブログ

イタリアの文化的お宝を紹介する会社「京都ドーナッツクラブ」の活動や、運営している多目的スペース「チルコロ京都」のイベント、代表の野村雅夫がFM COCOLOで行っている映画短評について綴ります。

電球処理に光を!① (旧ウェブサイトコラム『ローマで夜だった』)

 どうも、ポンデ雅夫です。最近ローマ支部に影の部分ができました。といっても、別にやましいことをしているとかいうわけではなくて、単に電球が切れただけなんですけどね。下の写真が、問題の電灯です。

 ローマ支部はとあるアパートの屋根裏に事務所を設置しています。屋根裏だけあって、どこもかしこも天井がかなりの角度で傾いています。一箇所とて床と平行な部分がありません。初めて不動産屋に案内されたときには度肝を抜かれたものです。「なんだ、この物件は」と。天井はもっとも低いところで、床から120センチほどしかないんです。とはいえ、住めば都というやつで、慣れると特に苦にはなりません。家具の配置にさえうまく気を使ってやればいいのです。僕はローマ支部の中枢部とも言えるパソコンを、もっとも奥まった天井の低い部分に設置することにしました。パソコンは立って作業するものではないので、天井が低くても問題ないというわけです。それでも当初はさすがにその圧迫感に辟易せざるを得ませんでしたが、ローマ支部の合言葉となりつつある「住めば都」というフレーズをつぶやいているうちに気にもならなくなってきました。というよりもむしろ、居心地が良いくらいです。元来、胎内回帰症の気がある僕としては、狭いところが妙に肌に合っているからでしょう。

 話を元に戻します。電球が切れたんです。それも立て続けに。写真をご覧いただければわかるように、奇妙キテレツなデザインです。斬新とも言えるけれど。螺旋式に5つの電球がついているんです。まず始めにてっぺんのが絶命しました。5分後に上から2番目。ふつふつと興味が沸いてきた僕は、ほほう、律儀に螺旋状に順番に切れていくつもりだなと5分10分と待ってみましたが、電灯は見事に僕の期待を裏切ってくれました。一向に切れる気配はありません。少し薄暗くなった部屋の一角で、僕は馬鹿な期待を抱いた自分を叱咤しました。ところで、問題の電灯は、ちょうどパソコンや書き物机の周辺を照らす唯一の光源です。中枢部が暗くなるというのは、由々しき事態です。僕は夜明けを待って、近くのスーパーへ足を運びました。光を求めて。