どうも、僕です。
「家が潰れる!」という叫び声が聞こえてくる煙草屋や、客にだだをこねさせる居酒屋「だだっこ」など、何かと好奇心をそそる阿倍野界隈をうろつくこの多かったここ最近の僕ですが、性懲りもなく裏道をほっつき歩いていたところ、今度は寿司屋にほくそ笑むことになりました。
見えますかね?
ずらりと並んだメニューの上のほうに、誇らしげに綴ってある文言が。
「味は特急、出前は急行、値段は鈍行」
店の側壁を目一杯使用して、人通りの疎らな閑散とした裏通りに強烈なメッセージを送るこの看板。
思いついたときには「やっほ〜い!」と奇声を発したことでしょう。
客に出す寿司ネタの新鮮さよりも自分の舌が繰り出すネタの斬新さ。
職人としての手さばきのうまさよりも芸人紛いの口さばきで織りなす会話のうまさ。
店主はおそらくこうしたことに重きを置いているのでしょう。
ただ、この寿司トレイン、定休日は火曜とあるのに金曜も運休していることから鑑みるに、現在は発車オーライとはいかず、もはやその軌道は錆びついているようです。
まぁ、僕も脳内の興味はくすぐられるものの、口内の興味はからっきし湧いてこないので、いたしかたないことかもしれません。
同じく言葉をメインに活動する人間として、商魂の発揮の仕方を誤ってしまったように見受けられるこの寿司界の鉄道員(ぽっぽ屋)に、ささやかながらエールをおくりたいと思います。
いつか運行中の雄姿を見てみたいと願っています。
それでは皆さん、また非常に近い将来に。