京都ドーナッツクラブのブログ

イタリアの文化的お宝を紹介する会社「京都ドーナッツクラブ」の活動や、運営している多目的スペース「チルコロ京都」のイベント、代表の野村雅夫がFM COCOLOで行っている映画短評について綴ります。

美しきカッペリ

どうも、僕です。

5日のSwingin' Sundayでは、スパゲッティ・アッラ・プッタネスカ(Spaghetti alla puttanesca)をご紹介しました。

具といってもアンチョビと黒オリーブぐらいしか入れない、ちょっと地味な印象のパスタですが、オレガノにパセリにケッパー、さらにはニンニクとトウガラシがアクセントになって、香りで魅せてくれるパスタです(作り方は、Swingin' Sundayのブログをご覧ください)。

この材料の中にもあるケッパーって、皆さんは冷蔵庫に常備してたりしますか?

レストランや居酒屋でスモークサーモンを注文すると、ころころと添えてある、あのグリーンの小粒のやつですね。

ともすると、邪魔だとばかりに脇へ追いやられたりしている、あれです。

どうしても脇役に甘んじてしまいますが、料理の隠し味や風味づけには欠かせない、香り高い材料です。

地中海料理によく使われますが、それはもちろんあちらでよく収穫できるからなんです。

日本ではほとんど見かけない植物ですが、実はイタリアなんかではそのへんに自生してたりするんですよ。

イタリア語では、カッペリ(capperi)と言います。

酢漬け、塩漬け、あるいはオイル漬けになって市販されます。

要するに、イタリア版の「おつけもの」ですね。

だから、ビールや白ワインのお供に、あのままつまんでもけっこういけます。

ところで、このカッペリ、植物のどの部分だと思いますか?

なんと、蕾なんですね。

花開く前に収穫されてしまうわけですから、カッペリにとってはかなり理不尽で、無念極まりない話でしょうね。

だって、人間に摘まれずに開花すると、こんなに美しいんですよ。

ね?

こんな艶姿をお披露目する前に食べるわけです。

心しておいしくいただかないと、という気がしてきますね。

それでは皆さん、また非常に近い将来に。