京都ドーナッツクラブのブログ

イタリアの文化的お宝を紹介する会社「京都ドーナッツクラブ」の活動や、運営している多目的スペース「チルコロ京都」のイベント、代表の野村雅夫がFM COCOLOで行っている映画短評について綴ります。

都響ハーモニーツアー 〜ウート・ウーギ〜

どうも、僕です。

久しぶりにザ・シンフォニーホールへ行ってきました。東京都交響楽団ハーモニーツアー2008→2009の大阪公演ということだったんですが、僕の目的はヴァイオリニストのウート・ウーギさんにお会いすることでした。

ウーギさんはイタリアを代表する天才ヴァイオリニストなわけで、そんなお方と僕には接点なんてまったくなさそうなんですが、それがひょんなことから繋がりが生まれたんです。それは、大阪ドーナッツクラブの企画で小説の翻訳を出版した映画監督シルヴァーノ・アゴスティさんをきっかけにしたものでした。

アゴスティさんは、ウーギさんの音楽ドキュメンタリーで、ヴィヴァルディの『四季』をモチーフにしたものを2006年に撮りました(画像下)。その編集の最中に僕がアゴスティさんに知り合ったもので、彼に会うと、しょっちゅうウーギさんのお話が出てきてたんです。

そして、先月、アゴスティさんからのメールで、ウーギさんが日本で演奏することを知り、ぜひ拝聴したいものだ、とこうなったわけです。ただし、そのときにひとつミッションが。『1日3時間しか働かない国』の日本語版がこちらに足りないんで、悪いが楽屋でウートに会って渡しておいてくれ。僕はそのミッションを遂行するべく、さっそくチケットを手配し、シンフォニーホールに足を運びました。「1日3時間」を5冊ほど携えて。

誰もが幸せになる 1日3時間しか働かない国

誰もが幸せになる 1日3時間しか働かない国

それはそれは素晴らしい演奏でした。曲目は、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。僕のフェイバレットではないですか! 盛り上がる第2・第3楽章ともなると、まさに心を揺さぶられる名演でした。そしてアンコールはなんと、パガニーニカプリッチョ。あの複雑で難解な曲に独自のアレンジを加えつつ披露してくれた独奏は、それはもう圧巻でした。都響のヴァイオリニストもうっとりしていたくらいです。

休憩をはさんで、ドヴォルジャークの「新世界」。と、ウーギさんがいないではありませんか。確かにこの曲にはヴァイオリンが主役になる場面はありませんが、それにしても、はて…。どうやら、そもそもヴァイオリン協奏曲だけの出演予定だったようです。終演後、僕は慌てて都響のプロデューサーの方にかけあいました。かくかくしかじかこういった事情なんですけども、「ウーギさんは?」。「それがですね、実はもう早々にホテルへ戻られたんですよ」。

なんとも残念でしたが、本をその方にお預けして、ミッション自体は完了となりました。それでも、僕が解釈したアゴスティさんの意図は達成されなかったわけで、心残りではありましたけどね。

名ヴァイオリニストの歴史 ヨアヒム、サラサーテからサラ・チャンまで

名ヴァイオリニストの歴史 ヨアヒム、サラサーテからサラ・チャンまで

  • アーティスト: オムニバス(クラシック),クーベリック(ヤン),エネスコ(ジョルジュ),フーベルマン(ブロニスラフ),ホール(マリー),コハンスキ(パウル),エルマン(ミッシャ),ヨアヒム(ヨーゼフ),サラサーテ(パブロ・デ),イザイ(ウジェーヌ),ロゼー(アルノルト)
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
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なにはともあれ、コンサートそのものは大満足ということで、心に残る夕べとなりました。

それでは皆さん、また非常に近い将来に。