京都ドーナッツクラブのブログ

イタリアの文化的お宝を紹介する会社「京都ドーナッツクラブ」の活動や、運営している多目的スペース「チルコロ京都」のイベント、代表の野村雅夫がFM COCOLOで行っている映画短評について綴ります。

青鬼上等!

どうも、僕です。

前回の飲酒後の睡眠と気絶の関係性についての考察からしばらく更新しなかったことで、何名かの方から、「MASAOさん、大変そうですね」といった慰めとご心配の言葉をいただきました。ありがとうございます。多少の生活リズムの崩れがあろうとも、風邪やインフルエンザの流行もどこふく風で、颯爽と自転車で風を切って京都を走り回っています。

ところで、以前にもこのブログで書いたかもしれませんが、僕はビールに目がありません。アルコール飲料はわけ隔てなくどれも僕の好むところではあるものの、ビールは群を抜いて好きです。

でも、というべきか、だから、というべきかわかりませんが、僕は時折日本の大手メーカーのビール造りに物申したくなることがあります。日本で出回っているビールは、輸入物も含めて、その大半がピルスナーというタイプなんですね。みなさんがビールと聞いてまず思い浮かべる、淡色のあれです。ピルスナーは工程の面でも味の面でも確かに大量生産に向いているし、これが主流になるのはうなずけるのですが、ヨーロッパとは違って、日本にはほとんどこれしかないというのが僕の気に入らないところなんです。もっと多種多様なビール造りがあってもいいでしょう、と。

あ、これ、真剣に書き出すとかなりの長尺になってしまうんで、興味のある方は、僕が大阪ドーナッツクラブ(イタリアの映画・演劇・文学紹介)のコラムに書いた、「ピルスナー至上主義にドロップキック!」をお読みください。

もちろん、日本にもたくさんの地ビールメーカーがあります。しかも質も高いように思えます。それでも、僕は喉をうならせてしまうような逸品にはまだ巡り合ったことがなかったんです。それが、先日やっと邂逅できたんですから、僕は同席していた友人たちと高らかに歓喜の声をあげました。「うんめぇぇ!」。

その名も「インドの青鬼」。まったく意味がわかりません。そして、飲んだからといって、意味がわかるわけでもありません。

缶のラベルに目を通すと、なんでも18世紀末のイギリスで生まれたインディアペールエールというスタイルのものらしく、当時はインドまで輸送する間に、たとえば当時もっとも流行していた黒ビールなんかだと、すっかり味が変わってしまっていたそうです。そこで、「長い輸送に耐えられるようアルコール度数を高め、更に劣化防止効果のあるホップを大量に入れたビールが造られました。更に、輸送の途中で酸っぱくなるのを防ぐ為に、輸送用の樽の中にもホップを投入しました。その結果、苦味の強烈なビールが出来上がりました」とのことです。しかし、ここまで読んでも、ふむふむそうかとは決して言えませんよね。なんたって青鬼ですから。

おそらく、この摩訶不思議なネーミングの由来は、ここに秘密がありそうです。コピーの先にはこうあります。「この驚愕の苦味と深いコクで飲む者を虜にします。“魔の味”を知ってしまった、熱狂的ビールファンの為のビールに他なりません」。ここまでくると、おぼろげながらわかります。そう、これはとんでもない苦みと高めのアルコール度が生んだ、日本ビール界の魔物なのです。このインドの青鬼には、もはやつまみなぞ不要です。ただひたすらに、こやつが主役として酒席の主席に君臨するのみ。我々はひれ伏しながら飲み干すしかありません。

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しかし、ものすごいビールを見つけてしまったものです。調べてみると、楽天なんかで通販で購入できるようですが、飲めるお店はなかなかなさそうですね。それでは、僕はどこで青鬼と邂逅したのか? 答えは、2週連続で「よなよな」胃袋をいっぱいにさせていただいた、最高の焼き肉店いちなんでした。いやぁ、素晴らしい出逢いを感謝してます。このビールを造っているヤッホーブルーイングでは、他にも個性豊かなエールビールがあって、かなり楽しめます。公式サイト(Click!!)もずいぶんと凝ってて一見の価値ありですよ!

それでは皆さん、また非常に近い将来に。