京都ドーナッツクラブのブログ

イタリアの文化的お宝紹介グループ「京都ドーナッツクラブ」の活動や、運営している多目的スペース「チルコロ京都」のイベント、代表の野村雅夫がFM802で行っている映画短評について綴ります。

「豆腐でカプレーゼ」と「さわらのサワークリーム」

どうも、僕です。

先週末は久しぶりに夜のクラブ活動ということで、木屋町のコラージュで、α-STATIONの関係者でごった返す“buggin' out”に行ってきました。プロデューサーのFさんやスタッフの皆さんには、いろいろとごちそうになり、DJのポールさんやリスナーのRさんとはっちゃけ、爽快な夜でした。

朝はラジオを通して乾さんとごきげんにお話をして、珈琲を飲みながら窓から空を見上げると、梅雨というのにあきれるほどの快晴。げた箱から登山靴を取り出して、ちょっくら大文字山火床へ。気持ちいいのなんの。下山後は白川今出川でラーメンをすすり、そのまま自転車で付近を散策。見かけた古本屋で長居して本を買いあさり、帰宅して戦利品をぱらぱら。まずこの上ない土曜日でした。
映画ジャンル論―ハリウッド的快楽のスタイル 不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か (新潮文庫) ROADSIDE JAPAN―珍日本紀行 西日本編 (ちくま文庫)

さて、完全なる怠慢で先週はラジオ大阪幸せラジオ 乾龍介です!」でご紹介した料理をアップしておりませんでした。これが癖になるといかんぞと自戒しながら、今日は2週分まとめてご紹介しますね。

まずは6日の放送で取り上げた「豆腐でカプレーゼ」。

カプレーゼというのは、トマトとモッツァレッラチーズとバジリコで作る、しごく簡単なサラダのことですね。皿の上にイタリア国旗の三色がそろう、ピッツァのマルゲリータとまったく同じ具材を使った前菜です。三色そろえていることからわかるように、どちらもイタリア統一以後に考えられた比較的新しい近代的な料理ですね。

モッツァレッラは最近では国産のものも増えて、一昔前に比べれば驚くほど簡単に手に入れられるようになっていますけど、それでも、まだまだ毎日の食卓に上るような常連ではないし、見かけはするけど買ったことなんてないという人も多い思います。

でも、これってこれから夏にかけてめちゃくちゃおいしい料理なんですよ。どうにかしてモッツァレッラの代替品を見つけられないか、ということで考案したのが、今回ご紹介する料理です。
名前の通り、豆腐を使います。木綿豆腐。なぜ豆腐なのかというと、モッツァレッラも冷奴みたいにしてそのまま丸ごと生で食べることがあって、ローマで暮らしていたときに好物だったんですよね。じゃあ、きっと豆腐で代用できるだろうと踏んでやりはじめたんです。

木綿豆腐を一丁買ってきて、キッチンペーパーなんかでしっかりと水気を切っておきます。
トマト1個を、居酒屋のトマトスライスの要領でカット。豆腐も同じ大きさに切ります。
トマト、豆腐、トマト、豆腐の順番にお皿に並べて、上からバジリコかオレガノ(できれば両方)と塩、さらにオリーブオイルをかけたらできあがり。

5分とかかりませんね。

バジリコやオレガノ? そんなものねえよ、という話になるかもしれませんが、大丈夫。スーパーの調味料コーナーに行けば、最近は100〜200円くらいでどこでも売ってます。乾燥のものですけどね。そりゃ、フレッシュなものが手に入れば、そちらのほうが断然おいしいですけど、乾燥のものでもあるのとないのとでは雲泥の差です。メッセージをいただいたリスナーの中には、ベランダでバジリコを育てているっていう方もいらっしゃいましたね。それを摘んできて使いましたよ、と。おいしそうです。僕もそうしたいものなんですが、どうも植物とうまくやっていくのが苦手なもので、いつの日にか充実したボタニカル・ライフをと思いながらも、鉢植えのランひとつきりで精一杯の状況です。ハーブもやりたいんですけどね…。

ところで、この豆腐でカプレーゼ、リスナーからの好評に対して、乾さんは出来栄えが芳しくなかったみたいですね。察するに、味付けです。材料はシンプルすぎるくらいですから、間違えようがないですよね。塩とオリーブオイルの量が少なかったのが原因でしょう。塩は水戸泉ばりに、オリーブオイルは花壇に水をやるつもりでかけましょう。味付けがこれだけなんで、ちょっとしっかりめを目安にするといいかもしれません。とりわけ慣れるまでは。オリーブオイルって、おそるおそるチョロチョロとしかかけない人がいますね。小瓶タイプのものしか持っていない人によくある傾向です。どうしても稀少かつ高価なものに見えてきて、ついついケチってしまうんですね。ダメです。固定観念をデストロイしましょう。あれはオイルとは名乗っていますが、オリーブのジュースだと認識してください。醤油やナンプラーじゃないんだから、少々勢いあまってかけすぎても、食べられなくなるなんてことはありません。このさいですから、かけずぎらいの克服を! MASAOはかけずぎらいのあなたをそっと応援しています。


続いては、13日の一品。「さわらのサワークリーム」です。

1Q84』の100万部越えで大反響の村上春樹ですが、彼の作品は読んでいるとお腹がすくことが多いなんて言いますね。それほど頻繁に料理や食事のシーンがあるということ。確かレシピ本も出版されていたと記憶していますが、ブームに便乗しつつ、幸せ手抜き料理でも村上手抜き料理をご紹介しました。

ただし、新作から引っ張ってくるのはちょっと気が引けたんです。僕は今ちょうど下巻の中ほどを読んでいて、やっぱり作りたくなるような料理に巡り合ったんですが、まだ読んでいない人が多いのに取り上げるというのもね。
カンガルー日和 (講談社文庫)
カンガルー日和』という短編集を覚えてますか? 1983年に発行されたもので、もちろん今は文庫で入手できます。
あれに入っている『図書館奇譚』という作品。
羊男とかわいい女の子、かくしゃくとしたこわ〜い老人、そして「僕」によって市立図書館の謎の地下世界で繰り広げられる、何とも不思議な物語でした。
ひょんなことから理不尽に牢屋に閉じ込められた「僕」に、女の子が用意してくれる料理のなかに、サワラのサワークリームというおいしそうなものがあるんです。
サワークリーム、あんまり馴染みがないですよね。東ヨーロッパあたりでよく使われる調味料です。確かボルシチに必ずといっていいほど乗ってますよね。
買うと高いので、家で簡単に作りましょう。

熱湯で煮沸消毒したジャムの空きビン(あるいはそれに類似するもの)に、生クリームとヨーグルト(砂糖なし)大さじ3を入れて、軽く蓋をします。
常温で半日から1日置いておけばできあがり。
え? そんなに簡単にできるの?
本場のものはどうだか僕にもよくわかりませんが、これで十分いけるんです。かなり固形化した生クリームを眺めると、ビフィズス菌の活躍に拍手を送りたくなるものです。

あとは蓋をしっかり閉めて、冷蔵庫で保存します。
ふかしたり焼いたりしたじゃがいもによく合いますし、キムチなんかと合わせてもいいですよ。
あとは、スモークサーモンとサワークリームをクラッカーにのせれば、おしゃれなスナックのできあがり。
かなり用途は広いですね。

で、サワラのサワークリーム。

サワラ一切れに軽く塩をして、フライパンでバター焼きにします。
同じフライパンにまたバターを落として、サワークリームも入れます。分量はそれぞれ大さじで、バター1、サワークリーム3くらいですかね。
少し溶けて混ざってきたら、醤油を適量落として、特製ソースのできあがり。
バター焼きにしたサワラの上にかけて召し上がれ。

あ、そうそう、春樹に合わせてサワラにしましたけど、シャケなんかでももちろんいけます。たらやかれいでもいいでしょうね。要するに、バター焼きに会う魚であれば、基本的にはいけると思います。料理を楽しみながら、『図書館奇譚』も味わってみてくださいね。

大阪ドーナッツクラブを主宰している僕としては、羊男の出してくれるカリカリのドーナツも作ってみたいんですけど、おいしくできるか不安ですね、ドーナツは。悪戦苦闘した結果、辛酸をなめて、結局ミスドへ行ったなんてことになりかねません。最初からドーナツ屋に足を運ぶことにします。そして珈琲をちびちびやりながらの読書。何物にも代えがたい喜びですね。

それでは、皆さん、また非常に近い将来、否、また明日AM電波でお耳にかかりましょう。