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京都ドーナッツクラブのブログ

イタリアの文化的お宝紹介グループ「京都ドーナッツクラブ」の活動や、運営している多目的スペース「チルコロ京都」のイベント、代表の野村雅夫がFM802で行っている映画短評について綴ります。

KYOTOアルクアラウンド!

どうも、僕です。

ラジオなんかでちょいちょい言っているからご存知の読者も多いかもしれないけれど、僕は京都市内に住んでいる。

ローマで2年の遊学生活をしているときに考えていたのは、日本に帰ったら、学び舎や職場に近いからという消極的な理由に左右されることなく、一度くらいは素朴に自分の住みたい町に住んでみたいということだった。もちろん、そうは言っても、限度がある。沖縄に住みたいからといって、ほんじゃまいりますかと沖縄に移住するとかそういう極端な話ではなくて、あくまで関西圏でということだ。別に人生設計そのものを一から練り直そうというほど大げさなものではなかったから。

そこで真っ先に候補に挙がったのが京都だった。長期留学者にありがちな日本回帰というのもあるのはあったけれど、おんぼろ自動車を乗り回してたくさんの小さな都市を訪れたイタリアでの体験を通して、小ぶりな地方都市に住むことの魅力を感じたのが一番大きな原因だ。身体にぴったりフィットする服を着こなす喜びに近いものがあるのじゃないかとイタリアでは思っていた。

それでは、住んでみてどうか? 映画館、美術館、博物館、図書館、喫茶店、川、山、酒、焼き肉、ラーメン、寺社仏閣、大学などなど、概ねどれにも満足している。どの要素をとってみても国内有数。ものによっては、世界有数と言えるかもしれない。自宅以外での仕事をほぼ大阪でこなす今でも、京都に住む魅力はいささかも減退しないのがすごい。自分でも驚いた。

なんだ、それでは不満はないのか、と問われれば、あるにはある。

端的に言えば、もっと歩きたいということだ。それは君の脚力次第だろうとつっこまれそうだが、そういうことではなくて、せっかく小ぶりで文化密度が高く、散歩に適した場所が山ほどあるのだから、もっと自由気ままにのんびりと歩いてみたいのだ。あるいは自転車で気軽に出かけ、ちゃんと駐輪場に預け、少し歩いてまたチャリチャリ帰るなんてことをしたいのだ。

たとえば、僕は休日に四条界隈へ出向く気がまったくない。確実に行きたくない。友人と出かけても狭い歩道を前後に歩かされてばかりで、落ち着かないし、気晴らしどころかむしろ心が毛羽立つことが多いからだ。

よりはっきり言ってしまえば、都心部から車を締め出してほしい。僕も車を運転するし、ハンドルやシフトレバーを握る快感は何物にも代えがたいものがあると言ってやまないアンチエコ的なところがあるくらいなのだけれど、京都中心部を車でめぐりたいなんて一度も思ったことがない。

そもそも京都は人間の歩幅やら馬車やら山谷ら鉾やらに合わせて作られた町なのだから、車は通りにくくて仕方ない。そこへ無理やり車を入れるから、乗る方も歩く方も機嫌が悪くなるし、駐車場という虫食いだらけの興をそぐ街並みが完成する。車を入れなければ、観光客ものびのびと通りを闊歩できるし、僕たち京都市民ももっと地元を楽しめる。

何とかならんのかとかねがね思っていたところへ、最近になってほくほくする新聞記事に出会った。

『「歩くまち」の総合戦略策定』

なかなか魅惑的な見出しが躍る。一定期間は車を使わない地区を創出したり、四条通の歩道拡幅と一般車両の通行規制を行ったりと、6つの事業を柱に「歩くまち・京都」をコンセプトとした交通施策を進めていく予定らしい。

おおいに結構なことだと思う。公営の駐輪場もばしばし作ってほしいし、四条通なんかはせめて土日祝日だけでも、歩行者天国化すればいいのにとも思う。歩道拡幅なんてチマチマしたことは言わず、祇園祭の会場となるエリアは基本的に住民や関係者の車輛しか入れないとすれば、街はかなり活性化すると思う。

こういうことを言うと、決まって聞かれるのが「車で来る客に敬遠される」という意見だが、イタリアでは「車を排除した方がむしろ観光客には魅力的に映り、市民の地元への誇りも高まる」という社会実験の結果が多く出ている。きっと他のヨーロッパもそうだろう。

もっと軽快に自転車でキビキビ動き回りたい。もっと車への警戒心を解いて自分の歩幅でユルユル歩き回りたい。京都がそんなモデルケースになればいいのにと願うのは僕だけだろうか? 

ああ、勢い余って、書きすぎた。サカナクションで一息入れてから、大阪の試写室へと行こうっと。おけいはんおけいはん

曲はリリース前からずいぶんと気に入っていたし、FM802が主催した年末のRADIO CRAZYで観た時も心も身体も躍ったし、歌詞をジャケットに書いちゃうというCDにも舌を巻いたのだけれど、最後にこんな面白さが待っているとは思わなんだ。このPV、楽しい趣向にうっとりです。

それでは皆さん、また非常に近い将来に。