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京都ドーナッツクラブのブログ

イタリアの文化的お宝紹介グループ「京都ドーナッツクラブ」の活動や、運営している多目的スペース「チルコロ京都」のイベント、代表の野村雅夫がFM802で行っている映画短評について綴ります。

『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』短評

FM802 Ciao! MUSICA 2016年12月23日放送分

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遠い昔、遥か彼方の銀河系で…
 
1978年に日本公開された「スター・ウォーズ」第1作、エピソード4のちょい前、40年間、あのオープニングの文字情報だけで簡潔にまとめられていた物語。
ディズニーが関与するようになって2作目。いわゆるスピンオフとしては初めての作品となります。
 
エピソード4で、レイア姫R2-D2に託した帝国軍の兵器デス・スターの設計図。それがどうやって帝国軍から反乱軍の手に渡ったのかが明らかになります。主人公は一匹狼のヒロイン、ジン・アーソ。彼女が反乱軍の仲間とともにミッションに挑みます。
 
ジン・アーソを演じたのは、このコーナーで最近扱った『インフェルノ』のヒロイン、フェリシティ・ジョーンズ。監督は2014年ハリウッド版『GODZILLAゴジラ』のギャレス・エドワーズです。
 
109シネマズ大阪エキスポシティ。火曜日朝イチにもかかわらず、IMAX 3Dは結構盛況。ローグ・ワン専用のグッズ売り場もできていて、盛り上がりが感じられました。IMAXで観る価値大アリ! 特に広い絵面のショットは極力大きなスクリーンで。
 
それでは、いつものように3分間の短評、いってみよう。

僕は熱心な「スター・ウォーズ」ファンではないので、『ローグ・ワン』の公開は楽しみにはしていましたけど、自分から事前に情報を取りに行くようなことはしてなかったんですね。で、先週、「映画の女神様からのお告げ」が下った時に、初めて副題が「スター・ウォーズ・ストーリー」だってことに気づいたくらい。その時の僕の心の声を再現すると、「芸がないなぁ」でした。でもね、作品を観て「なるほど」と思ったのは、本当は“A Star Wars Story”なんです。この『ローグ・ワン』が直結するエピソード4の副題は、”A New Hope”。邦題は『新たなる希望』です。それに即して訳せば、『ローグ・ワン/新たなるスター・ウォーズの物語』となります。細かいところに着目して申し訳ないけど、タイトルって大事でね。このAが大事なの。
 
ふたつの意味があると思います。ひとつは、みんなが知ってるスター・ウォーズとは違う、あるいはその裏側の、スカイウォーカー家とはまた別の、もうひとつのスター・ウォーズですよという、スピンオフ1作目としての宣言。
 
ふたつ目は、定冠詞になる前の、まだ不定冠詞の、つまり、まだ知られていない、名前のない物語であるという意味。
 
それを踏まえ、僕は『ローグ・ワン』は基本的にバッチリだったと思います。主人公、ジン・アーソの幼い頃のいきなり劇的なエピソード。彼女のお父さんゲイレン・アーソがあのデス・スターの設計に噛んでいる科学者だったという開始数分でわかる設定。アーソ家の物語を軸に据えたところがもうスター・ウォーズらしいし、そっから異形の仲間が集っていってチームを作るのも「らしい」。ミッションそのものも建物の構造も『スター・ウォーズ』そのもの。
 
そこに、これまでのどのエピソードをも超えるような迫力の戦闘シーン(基本的にゲリラ戦争の映画ですから、今回は)とデス・スターの想像を絶する威力をまざまざと見せつける映像を実現した。かねてから批判されてきたアジア人キャストの不在も、座頭市を彷彿とさせる強烈なキャラクター、チアルートで一気に挽回しました。あと、比較的、善悪のはっきりしがちなスター・ウォーズ物語世界において、反乱軍の闇もある程度見せていたのは新鮮でした。
 
で、ですよ。観終わったら、エピソード4が観たくなるようにできてるし、まんまと観たら感慨が増すという。最強の兵器デス・スターの弱点がなんであんなに簡単にわかったんだっていうエピソード4の謎も解明される。どころか、その謎が解明したおかげで、また感動が増すという。ここまでできただけでも、もうそれだけでバッチリですよ。
 
確かに、多くの人が指摘するように、クライマックスまでの話運びが決して「うまくない」し、セリフと映像の関係もうまく機能していないところもあるでしょう。ジン・アーソを含め、キャラクターが弱いとか、反乱軍がひとつにまとまる動機が見えにくいとか、難点はあります。でもね、まだ1回観ただけだからってのもあるし、僕がマニアじゃないからってのもあると思います。普通に面白かったんですよ、これが。期待値とハードルが高すぎるシリーズゆえにツッコミが鋭くなりすぎる人がいるってだけの話で、基本的にハイレベルの映画作りなんで、酷評とかけなし系のレビューに触れて観に行かないという選択はアホらしい。
 
ジェダイはいません。地味な人たちです。最初っからストーリーの結末はわかってます。引き立て役の隠し味的ストーリーです。でも、彼らがいなければ、スター・ウォーズは始まらなかったと思える、いや、映画を観たら確信してしまう。スピンオフ第1作、十分に合格以上と評価していいと僕は思います。
 
日本では今軍事研究に政府が税金をじゃぶじゃぶ投入してますけど、関係者は『ローグ・ワン』を観てほしいね。ゲイレンの想いを知ってほしいね、なんてことは放送では言わなかったですけど。

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さ〜て、次回、12月30日(金)の109シネマズ FRIDAY NEW CINEMA CLUBで扱う映画 aka「映画の女神様から授かったお告げ」は、『バイオハザード:ザ・ファイナル』です。4DXチェリーボーイの僕なんですが、その初体験の模様もお話します。あなたも鑑賞したら #ciao802を付けてのTweetをよろしく!