12/3(土)〜16(金)2週間にわたって開催のアゴスティ回顧映画祭
『イタリア映画界の異端児 アゴスティの世界』。
12/9,10は上映後にトークイベントを予定しています。
12/10(土)は「日本で地獄を垣間見た大熊さんに聞く 精神病院を捨てたイタリアの現状」というトークセッションを行います。
当初の予定ではゲストは大熊一夫さんだけでしたが、追加で、石川信義さんもお越しいただけることになりました。
PDF版チラシはこちら
大熊一夫さんはジャーナリスト(元朝日新聞社記者)で、『精神病院を捨てたイタリア 捨てない日本』の著者。
1970年、アルコール依存症を装って精神科病院に潜入入院し、『ルポ・精神病棟』を朝日新聞社社会面に連載され、当時、話題を呼んだそうです。鉄格子の内側で日常的に行われていた入院者虐待を白日のもとにさらし、日本の精神医療改革に一石を投じた方なのです。そして現在も精神科病院廃絶に向け活動を行っています。
2008年には、イタリア精神保健改革の父といわれる精神科医フランコ・バザーリアの名を冠したフランコ・バザーリア学術賞を受賞されています。
大熊一夫さんがバザーリア賞を受賞した際のスピーチ
石川信義さんは、日本で初めて完全開放の精神科病院「三枚橋病院」を実現された精神科医です。
『心病める人たち―開かれた精神医療へ』『開かれている病棟―三枚橋病院でのこころみ 』などの著書があります。
-
- -
1978年、イタリアで180号法(通称バザーリア法)が施行され、州立の精神科病院が違法となりました。
そして1985年、180号法施行から7年も遅れて、「イタリアが精神病院を廃止する法律をつくった」という大ニュースが日本に届いたそうです。
このニュースを受け、興奮した大熊さんは、「何百年も『必要悪』といわれ続けてきた精神病院を、イタリアはどうして廃絶できるのか」と色々と想像してみたそうですが、わからなかったそうです。
自分の目で確かめるしかないと思われた大熊さんは、、1986年2月、友人の精神科医4人を誘って、イタリア精神医療改革の地 トリエステを訪ねたそうです。その4人の精神科医の中に石川信義さんもいらっしゃったのだそうです。
お二人とも初めてのイタリア旅行で右も左もよくわからず視察をされたとのこと。
トリエステのほか、バザーリアを影で支え、バザーリア亡き後は、180号法の実現に尽力されていたバザーリアの妻フランカ・バザーリアにお会いするため、ヴェネツィアの自宅にお邪魔したそうです。
ジャーナリスト、医師、職業は異なりますが、それぞれの立場から精神医療改革に貢献されたお二人をお招きして、お話を伺いたいと思います。
(文責:ファンシーゆず)