野村雅夫の番組、FM COCOLO CIAO 765(月ー木、11ー15時)の名物コーナー、Today's View。13時頭から、日替わりで各界のブレーンがコラムを寄せてくれるものですが、その月曜日を京都ドーナッツクラブが担当しています。今回は、セサミあゆみによる夏の過ごし方のレポートです。
この夏も、ヨーロッパの酷暑が話題になりました。フランスやスペインの地名をニュースでよく聞いたように思いますが、イタリアも暑かった。緯度でいえば、ローマは日本の函館ぐらいに当たります。緯度だけを考えると、もう少し涼しそうなものですが、海流などの影響もあって、実際には緯度から想像するよりも暖かいのです。

それにしても、この夏は40℃を超える地点も続出。しかも、それは必ずしも南イタリアだけではありません。中部や北イタリアでも、40℃を超える気温が観測されています。
イタリアのラジオを聞いていると、そんな酷暑のニュースに「いちばん涼しい夏」とタイトルがつけられていることがありました。どういうこと? –––実はこれは皮肉たっぷりのイタリアンジョーク。来年、再来年と、これからの夏はさらに暑くなるだろう。だから、この先、今年の夏が「いちばん涼しい夏」になるだろうという内容でした。
さて、暑いイタリアでも、以前と比べると、だいぶエアコンが普及してきたのではないかと思いますが、それでも日本ほど一般的ではありません。

私がイタリアの「爪先」にあたる、南部の丘の上の町にお邪魔していた夏のこと。そこは標高が600mほどあったので、日中は暑くなるものの、湿度が低く、朝晩は涼しいところでした。そこのホームステイ先では、朝と夕に窓を開け放ち、涼しい外の空気を家の中に取り入れていました。そして、太陽が痛いほど照り付ける日中になると、今度は窓を閉めるのです。日本でいうところの雨戸のような、鎧戸もしっかり閉めてしまいます。そうして外の熱が入って、室内の温度が上がるのを防ぐのです。家が石造りなのもあって、こうしておけば、室内の気温はそう上がりません。もちろん、湿度も温度も高い低地の町であれば、イタリア国内でも同じ方法が通用する訳ではないでしょう。それでも、日本とは違う風土や建築を生かした暮らしの知恵を面白く感じました。

もうひとつ、イタリアの酷暑というと思い出すのが、ルームシェアをしていたお姉さんたちのことです。大学の町・ボローニャで、少しの間だけルームシェアのアパートに滞在した夏のこと。そこにはやはり、エアコンなどはなく、とにかく暑かったと記憶しています。確か、少し年上の二人の女性とのルームシェアでした。彼女らは仕事で留守にしていることが多かったのですが、たまにアパートで顔を合わせると、彼女たちが着ているのは、なんと水着。ラッシュガードとかではありません。ビキニですよ。女性だけのシェアアパートだったというのもあるのでしょうが、日本と比べて露出の高い服を着ることが比較的普通なイタリアとはいえ、初見の時はなかなかの衝撃を受けました。
そして、イタリアの夏といえば、夏休み。バカンスです。学校では、6月の学年末試験が終わってから、9月中旬に新年度が始まるまで、長い夏休みがあります。働いている人も、以前は1か月程度休みを取るのが一般的だと聞いていたと思いますが、今はそこまで長い休みを取る人ばかりではないようです。とはいえ、10日程度の休みを取って、イタリア国内の海辺の町へ海水浴に出掛けるのが今での人気の過ごし方らしく、また、酷暑の影響で、山の避暑地の人気も高まっているそうです。少数派ではありますが、もちろん海外へ遊びに行く人もいます。
けれど、海辺の宿泊施設は7・8月はハイシーズンで、料金も高くなります。それに加えてこの酷暑。そういうわけで、7・8月を外して、9月にバカンスに出掛ける人も増えているそうです。誰もが長い休みを取って、海でゆったり過ごす。そんなイタリアの夏のイメージも変わりつつあるようです。