京都ドーナッツクラブのブログ

イタリアの文化的お宝紹介グループ「京都ドーナッツクラブ」の活動や、運営している多目的スペース「チルコロ京都」のイベント、代表の野村雅夫がFM802で行っている映画短評について綴ります。

暴走機関車 1 〜CLOSE〜 (旧ウェブサイトコラム『小噺パラダイス』)

どうも、有北です。
慌てるとろくなことがありません。
今朝のこと、僕は会社に向かっていました。例によってぎりぎりの時間だったため、閉まりかけの電車に飛び乗る僕。なんとか間に合い、電車は僕を乗せて発車しました。
しかし、ほっとしたのも束の間。僕は自分の右手を見て愕然としました。右手を…。いや、正確には右手が握っていた鞄を見て…。あろうことか、鞄が扉にはさまっているんだ。それも、3分の1くらいはさまっている。引っ張っても、まったく抜ける気配もない。そんなあほな。鞄の3分の1って、けっこう面積的には大きいですよ。車掌め、この状態でよく発車を許可したな。僕は車掌の無能さに悪態をつきつつ、鞄を引っ張る手に力を込める。
ぴくりともしない。
当たり前と言えば当たり前だ。鞄が3分の1がはさまっているんだ。これを引っこ抜けるということは、すなわち僕は『走っている電車のドアを素手でこじあけられる男』だということになる。走行中の電車が放つパワー以上の力を隠し持った男だということになる。テリーマンだということになる。違う。誰があんなアメリカ超人なものか…。

くだらないことを言ってる場合じゃない。
鞄を救出することが何よりも急務だ。僕は鞄を引っ張る手に、さらに力を加える。   (つづく)