京都ドーナッツクラブのブログ

イタリアの文化的お宝を紹介する会社「京都ドーナッツクラブ」の活動や、運営している多目的スペース「チルコロ京都」のイベント、代表の野村雅夫がFM COCOLOで行っている映画短評について綴ります。

コッリエーレ・デイ・ピッコリ展

 現在ミラノでコッリエーレ・デイ・ピッコリ(Corriere dei piccoli)展が行われている。コッリエーレ・デイ・ピッコリとはイタリア最大の売り上げを誇るコッリエーレ・デッラ・セーラ(Corriere della sera)の増刊として週1回、1908年から1995年まで刊行された続けた子供新聞である。その100周年ということで、ミラノのロトンダ・デッラ・ベサーナ(Rotonda della Besana、写真下)で原画を含む展覧会が今年の5月まで催されているのだ。

 ロトンダ・デッラ・ベサーナは、美術館として利用されている歴史的建造物だ。完成したのはバロック後期で、もともとは墓地として建設されたらしい。四方ぐるりと円を描くように囲まれた壁の内側の中心に、四角い建物があるという変わった外観をしている。そのまた中が展示スペースとなっており、中も同じく円を描くようにぐるりと回る順路となっている。その順路に沿って、コッリエーレ・デイ・ピッコリの歴史が見学できるわけだ。ボナヴェントゥーラさん(写真)やディーノ・ブッツァーティ(Dino Buzzati)直筆の『シチリアを征服したクマ王国の物語』(La famosa invasione degli orsi福音館書店、2008年、写真下)の挿絵、トッポ・ジージョ、ピンパなどなど。
 シチリアを征服したクマ王国の物語 (福音館文庫 S 54)
 実際に行ってみて、時代をなぞって見学して思ったのは、戦後の時代以降アメリカからの影響が如実に見受けられることだろうか。初期のイラストはヨーロッパ風の絵画的なものなのだが、時代が進むにつれ、アメリカ風のコミカルなイラストや西部劇ものなどが増える。イタリアという国は、日本とは違った形でアメリカとロシア(ソ連)からの影響を受けた国だと思うのだが、この分野ではアメリカの色が強いようだ。
=参考リンク=
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