京都ドーナッツクラブのブログ

イタリアの文化的お宝を紹介する会社「京都ドーナッツクラブ」の活動や、運営している多目的スペース「チルコロ京都」のイベント、代表の野村雅夫がFM COCOLOで行っている映画短評について綴ります。

ナウマン (旧ウェブサイトコラム『小噺パラダイス』)

どうも、有北です。ひさかたぶりの更新です。さて少し前まで従事していたミジンコターボの公演も好評のうちに終わりを告げて既に久しく、最近では僕は知り合いの映画製作に参加していて、その準備に余念がありません。いずれはこのサイトでその作品(あるいは、他のドーナッツ・フィルム群)も鑑賞できるようにしたいのですが、なかなか電脳的なインフラが整わず、一同ほぞを噛んでいる始末です。

さて話は逸れますが、同じく今回の映画製作に関わっている人間の一人に若旦那家康というナイスガイがいて、先日撮影の合間になぜだか携帯電話の話題になりました。特に「先読み変換機能」、あれについてです。例えば「あ」と入力するだけで「ありがとう」「安心」「明日」など、いくつかの変換候補が表示される、あれです。しかし、あのサービスは非常に便利な反面、時に使用者をえもいわれぬ気分に誘う、諸刃の剣でもあります。

基本的にはあのサービス、過去に自分が入力した単語を学習しておくという機能なはずです。一人の人間が操るボキャブラリーというものはある程度偏っているものですから、過去に入力された単語(或いは文章)を予め記憶しておくことで、何度も同じ単語を入力する手間を省くことができる。よく考えられたものだと感心させられます。しかし携帯電話次第では、まったく自分が入力した覚えのない単語が登場するのもしばしばであり、そのたびに我々は言い知れぬ不安感を抱くはめになります。

試しに自分の携帯で「1文字入力していったいどんな単語が候補に挙がるか確認する」という、まったく何の役にも立たない5分間を消費してみたのですが、はたして結果は惨憺たるものでした。まったく使った記憶のない単語のオンパレードです。僕はいったいいつこれらの単語を使って、誰にどんなメールを送ったんだろう?夢遊病?それを考えるとそらおそろしくなります。例えば「な」などひどいものです。

「泣き寝入り」

「萎える」

ナウマン

特に「ナウマン」ってなんだよという感じがしますが、おそらくこれはナウマン象のことでしょう。広辞苑によれば、「ゾウ目(長鼻類)の化石哺乳類。約三十万年前から約一万五千年前まで、日本および東アジアに生息した。マンモスよりはやや温かい地帯に栄えた。最初にその化石を研究したナウマンに因む名。」だそうですが、だからそんなコアな話題、最近、誰ともしてないんだって。なんで候補に挙がるのか詳しく教えてくださいよ。

「俺、株で失敗してさ、300万借金できちゃったんだよ。マジで萎えるよ。マジやべーよ。でも泣き寝入りとか絶対嫌だからさ、三谷に金借りてさらにでっかい勝負に出ようと思ったんだけどさ、あいつ1円も貸してくれないんだよ。ちくしょう、あんなやつ、ナウマン象に踏まれて死んじまえばいいのに」

まさか、自分でも知らないうちにこんなメールを誰かに?