京都ドーナッツクラブのブログ

イタリアの文化的お宝を紹介する会社「京都ドーナッツクラブ」の活動や、運営している多目的スペース「チルコロ京都」のイベント、代表の野村雅夫がFM COCOLOで行っている映画短評について綴ります。

ハリーポッター (旧ウェブサイトコラム『小噺パラダイス』)

 『ハリー・ポッター』というのは、考えてみたらすごいタイトルだよな。
 名前だもんな、ただの。

 ただの名前をタイトルにする…。この単純なことがなかなか日本の作家たちにはできないのだなあ。「鈴木まさる」なんていうタイトルの映画、日本にはないものな。やっぱイギリス人はいさぎよいんだなあ、たぶん。イエスかノーの国なんだなあ、きっと。そうにちがいないんだなぁ、おそらく。

 『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』という作品があって、映画も小説もドラマもヒットしたけど、あれ、よくよく考えればかなり長いタイトルだよな。映画化するにあたって、誰も「タイトル変えましょうよ」とは言い出さなかったのかなあ。企画会議とかでアメリカ人のスタッフが一人混ざっていて、「僕、タイトルは『西田』がいいと思うんですけど」とか発言したりしたのかな。だけど「なに言ってんのコイツ」って思われたり黙殺されたりそれが元で失意のうちに日本を去ったりしたのかなあ。名前はロバートとかいう名前だったのかもしれないな。彼はこの屈辱をバネにやがて努力を重ねて映画監督になり、やがて「ロバート」っていう映画を撮るのかもしれないな。

 かつて夏目漱石も「猫伝」という小説のタイトルを『吾輩は猫である』に変更してしまった。その精神性が現代まで受け継がれているんだろうなあ、やっぱり。

 『いま、会いにゆきます
 『ブラックジャックによろしく
 『打ち上げ花火、上から見るか? 下から見るか?』

 とか、どれもまだるっこしいんだよな。もう、今からツタヤに行ってタイトルのところ「斉藤」とか「村西」とかに書き換えといてやろうか。やってやろうか。そのおかげでレンタル数が伸びたらお礼くれるかもしれないもんな。
 だけど、たぶん、伸びないもんな。
 その前に、店員さんに怒られるもんな。

=告知= 以下のイベントは終了しました。
  トップページにも掲載していますが、現在有北クルーラーは、『かのうとおっさん』という長年彼が活動するコントユニットの本公演に向けて稽古中です。秋の夜長、ぜひ会場へ足を運んで、大いに笑ってください。過去の名作から待望の新ネタまでを満載した怒涛の4連続公演も最終章を残すのみとなりました。演目は各章ごとに違いますので、すべてご覧いただいても、存分にお楽しみいただけます。

かのうとおっさんコントの会 ふたりは最高!

日時:玄武の章 10/17(水) 20:00〜
    白虎の章 10/29(月) 20:00〜
    青龍の章 11/14(水) 20:00〜
    朱雀の章 11/28(水) 20:00〜
料金: 1800円(前売・当日共通)
ただし、観れば観るほどお得になるんです。2回目は1000円、3回目は500円、4回目はなんとタダ! これまでに既に足を運んでいるという人は、魅惑の累進割引制度をぜひご利用ください。
場所:−IST[イスト]零番館
ご予約・お問い合わせ: メールなら、kanoutoossan*hotmail.co.jp(*を@に変えてご利用ください)。電話なら、090-4498-6621(ありきた)までお願いします。
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