京都ドーナッツクラブのブログ

イタリアの文化的お宝を紹介する会社「京都ドーナッツクラブ」の活動や、運営している多目的スペース「チルコロ京都」のイベント、代表の野村雅夫がFM COCOLOで行っている映画短評について綴ります。

有北雅彦(有北クルーラー)

暴走機関車 2 〜OPEN〜 (旧ウェブサイトコラム『小噺パラダイス』)

どうも、有北です。 くだらないことを言ってる場合じゃない。 鞄を救出することが何よりも急務です。僕はさらに力を加える。しかし今さっき証明されたように、僕の力では鞄の窮状はいかんともしがたい。息が切れてきた。くそ、この鞄め。毒づき、まさぐる。…

暴走機関車 1 〜CLOSE〜 (旧ウェブサイトコラム『小噺パラダイス』)

どうも、有北です。 慌てるとろくなことがありません。 今朝のこと、僕は会社に向かっていました。例によってぎりぎりの時間だったため、閉まりかけの電車に飛び乗る僕。なんとか間に合い、電車は僕を乗せて発車しました。 しかし、ほっとしたのも束の間。僕…

トラブル・オブ・サイクル 5 〜僕と彼女の生きる道〜 (旧ウェブサイトコラム『小噺パラダイス』)

どうも、有北です。 車道という名のまさに地獄を無事に脱出するために、僕は必要以上にペダルをこがなければなりませんでした。いきおいスピードものるというもの。しかし、ブレーキはかけられない。このジレンマ。解決策としては、しばらくこがず、自然にス…

トラブル・オブ・サイクル 4 〜君もFallin'〜 (旧ウェブサイトコラム『小噺パラダイス』)

どうも、有北です。 慢心、すなわち、気のゆるみ。そのとき、気のゆるみが、筋肉までも緩ませたのに違いありません。腕の緊張が一瞬弛緩したのです。すると、どうなります? 当然の結果として、こわきに抱えていた手袋とマフラーがするすると地面に落ちてゆ…

トラブル・オブ・サイクル 3 〜間違った選択〜 (旧ウェブサイトコラム『小噺パラダイス』)

どうも、有北です。 僕は悠々とペダルをこぎ始めました。精神的な余裕からか、『傾斜45度の体感負荷』も気にならなくなってきました。「やれるぞ」。小さく呟く僕。「このまま、いってやる」。しかし、僕のこの油断と慢心を天は見逃しませんでした。不意に…

トラブル・オブ・サイクル 2 〜発見〜 (旧ウェブサイトコラム『小噺パラダイス』)

どうも、有北です。 無事知人との会合をすませ、帰途についた僕です。しかし、自転車の調子が往路より明らかに悪くなっています。とにかく重い。ペダルが重い。さっきまでの負荷は、喩えてみれば「通常より、プラス、30度の傾斜」でしたが、今のこの負荷はさ…

トラブル・オブ・サイクル 1 〜トラブルのはじまり〜 (旧ウェブサイトコラム『小噺パラダイス』)

どうも、有北です。 知人と待ち合わせがあって目的地にチャリで向かうことにしたのですが、どうも自転車の調子がよくないわけです。原因はわからないが、とにかくペダルがすごく重い。フラットな道なのに坂道を上ってるような負荷がかかってる。おかげで本来…

同じ月を見ている 5 最終章 〜玉の輿〜 (旧ウェブサイトコラム『小噺パラダイス』)

どうも、有北です。 はたしてその新聞に載っていたのは、宇宙開発の記事でした。宇宙旅行はもう完全に現実のものになりつつあるみたいです。例えばホリエモンの宇宙旅行ビジネス「JAPAN SPACE DREAM」。ホリエモン曰く、「今回のプロジェクト…

同じ月を見ている 4 〜Bad Bread〜 (旧ウェブサイトコラム『小噺パラダイス』)

どうも、有北です。 京美人は再びウーロン茶を一口飲んでから、話を続けました。 「ところが、まさにご主人がプラスドライバーを握りしめた瞬間、ビデオテープの挿入口を覗き込んでいた私の友だちが気づいたのよ。『なにか、詰まってる』。あなた、いったい…

同じ月を見ている 3 〜京美人〜(旧ウェブサイトコラム『小噺パラダイス』)

どうも、有北です。 先日のことですが、本棚がいっぱいになってきたので整理しはじめたのがきっかけで、ここもそこも片付けようと、結局前以上に散らかってしまったわけです。 しかし改めて引っ張り出してみると、思いもよらないものを僕はとっておいたのだ…

同じ月を見ている 2 〜It's a small world〜 (旧ウェブサイトコラム『小噺パラダイス』)

どうも、有北です。 「保母さんは、意外とコンパ好き」などというくだらんインフォに振り回されてしまった前回の僕です。 まあ僕の心の傷はさておき、ここで問題としたいのは、やはり「子どもの無知さ」についてです。「子どもには子どもの社会がある」など…

同じ月を見ている 1 〜NO WAR〜 (旧ウェブサイトコラム『小噺パラダイス』)

どうも、有北です。 世の中には、知らないほうが幸せなこともある。そんな簡単な真実に今更ながら気づいた僕です。先日、友人からこんな情報を聞きました。「保母さんってさ、意外と頻繁にコンパしてるらしいんだよ」。なんだかよくわからないけど、この豆知…

Search for the Healing 6 最終章〜抱きしめてtonight〜(旧ウェブサイトコラム『小噺パラダイス』)

どうも、有北です。 『究極の癒し』、覚えていますか? そう、バルーンアートです。もう今の僕にはこれしかないよ。僕にバルーンアートの魅力を伝えてくれた知人の言葉がまざまざとよみがえってくる。 「ねえ、癒しグッズって、あるじゃない?アロマランプと…

Search for the Healing 5 〜エビーに首ったけ〜(旧ウェブサイトコラム『小噺パラダイス』)

どうも、有北です。 まったく、つまらないことを思い出してしまった・・ようやく家にたどりついた僕は、さっそくこのいやな気分を払拭するために、帰り道購入した『癒し』に身をゆだねることにしました。 ふふ、まずはグラタンコロッケバーガーとしゃれこも…

Search for the Healing 4 〜Headgehog’s Dilemma〜 (旧ウェブサイトコラム『小噺パラダイス』)

どうも、有北です。 頭ごなしに怒られ、反射的に『きれいなエリア』から飛びのいてしまった僕。『きれいなエリア』にいたのは正直3〜4秒ではなかったか。その瞬間はあまりの出来事にうまく頭が回らなかったが、少したって冷静に分析してみると、やるせなさ…

Search for the Healing 3 〜美女と僕とのあいだには〜(旧ウェブサイトコラム『小噺パラダイス』)

どうも、有北です。 以前、とある短期バイトをしたことがあります。百貨店の化粧品売り場に、荷物を搬入するという仕事でした。荷物といっても、4人がかりでやっと持ち上がる棚とか、とにかく重量級のものばかり。完全な肉体労働です。唯一の癒しは、化粧品…

Search for the Healing 2 〜モヨコが泣いている〜(旧ウェブサイトコラム『小噺パラダイス』)

どうも、有北です。 ほくほくな道すがら、僕はホームレス街を通るはめになったのです。天王寺界隈はまあ、治安が悪いと言うか風紀が乱れていると言うか・・とにかくラブホテルは多いしホームレスも多いんです。もう時間も遅くなっていたので、大半のホームレ…

Search for the Healing 1 〜究極の癒し〜

どうも、有北です。 バルーンアートを買いました。あの、風船をキュキュッとやって作るやつです。なんか、あれでしょうね。癒されたかったんでしょうね。そんな日もありますよね。 僕の知人のOLも言ってましたもん。曰く、「ねえ、癒しグッズって、あるじゃ…

パンチ!パンチ!パンチ!6 最終章〜デビルチョップはパンチ力〜(旧ウェブサイトコラム『小噺パラダイス』)

どうも、有北です。 僕はひらめいたアイディアをプロデューサー氏に披露することにした。まず、僕は彼にこう切り出した。 「僕、『美味しんぼ』が好きで、集めてるんですよ。」 僕の言葉に彼は若干食いついてきた。「ふんふん、それで?」好感触だ。いけるか…

パンチ!パンチ!パンチ! 5 〜ディープ・インパクト〜(旧ウェブサイトコラム『小噺パラダイス』)

どうも、有北です。 そう、その夜、まさにひとつの電話が僕にかかってきたのです。 電話の向こうはプロデューサー氏だった。僕は参加者が少なくて困っているという話を聞いていたので、てっきりふたつ返事でOKなのかと思っていたが、意外とそうではなかっ…

パンチ!パンチ!パンチ! 4 〜電話〜 (旧ウェブサイトコラム『小噺パラダイス』)

どうも、有北です。 思いもよらない誘いだった。正直、葛藤があった。先程自分の貧しさにひとしきり打ちひしがれたばかりなのだ。自分の住まいの年間の家賃が、友人の家のドアの値段にイコールであることに、涙を禁じえなかったばかりなのだ。貧乏はいやだ!…

パンチ!パンチ!パンチ! 3 〜ナイスガイの誘い〜 (旧ウェブサイトコラム『小噺パラダイス』)

どうも、有北です。 悲しみに暮れて、友人たちの元を駆け去った僕です。 どこをどうたどったのかは定かではないが、とにかく僕は自宅に帰り着いていた。そう、愛すべき我があばらやに。 僕の部屋は2階だったので、階段を上ろうとすると、ちょうど階段の前に…

パンチ!パンチ!パンチ!2 〜ネバー・ホームレス〜 (旧ウェブサイトコラム『小噺パラダイス』)

どうも、有北です。 そのとき、その泥棒に入られた友人は、こんなことを言ったんです。 「でもさあ、直すためには、ドア全部直さなきゃいけないのよ。18万円もかかるのよ。」 とんでもないことを言うのだ。ドアひとつに18万円だって!ちょっと、待ってく…

パンチ!パンチ!パンチ! 1〜The Call of The Wild〜 (旧ウェブサイトコラム『小噺パラダイス』)

どうも、有北です。 貧乏であることにかけては仲間内でも有名な僕です。 いや、本当に毎日必死なんで。僕の場合、生きるっていうのはliveじゃなくてsurviveなんで。もう、ここはサバンナかって感じで毎日やってるんで。野生の王国なんで。気持ち的にはシマウ…

焼酎バーにて 5 最終章〜しばしの別れ〜 (旧ウェブサイトコラム『小噺パラダイス』)

どうも、有北です。 たまたま入った焼酎バーで、謎の男に出くわした僕です。 男がなにも注文していないにもかかわらず、おばちゃんはなにかの焼酎をグラスになみなみと注ぎ、男の前に置いた。いかにも手馴れたようす。いつものことという感じだ。なんだきみ…

焼酎バーにて 4 〜池谷幸雄に酔いしれて〜 (旧ウェブサイトコラム『小噺パラダイス』)

どうも、有北です。 面食らう僕に、おばちゃんは続けてこう言いました。 「ほんまのメニューは、あの壁に書いてあるやつやから。壁に書いてるやつは、できるやつ。嘘のメニューに書いてるやつは、できへんやつもある。」 説明を聞いてもいまいちわからん。ほ…

焼酎バーにて 3 〜ライアー・ライアー〜 (旧ウェブサイトコラム『小噺パラダイス』)

どうも、有北です。 本来の目的・・つまりは酒です。まずはこの必要以上にからからになったのどの渇きを潤さねば。 店内を見回すと、さすが焼酎バーだけあって、珍しい焼酎が目白押しだ。彼女の勧めに応じて『飲み比べ3点セット』を注文する。代金400円…

焼酎バーにて 2 〜それがテクニシャン〜 (旧ウェブサイトコラム『小噺パラダイス』)

どうも、有北です。 そういうわけで、何の気なしに入った焼酎バーで、謎のおばちゃんと遭遇してしまった僕です。 おそらくは、彼女が店主なのだろうが・・。リーゼントっぽい髪型で、部分によっては金のメッシュが入っている。さらには、その髪型にマッチし…

焼酎バーにて 1 〜好奇心は猫をも殺す〜 (旧ウェブサイトコラム『小噺パラダイス』)

どうも、有北です。 近所に謎の焼酎バーができたので、足を運んでみた。実際にこの店ができたのはもう4ヶ月くらい前の話なのだが、なかなか足を運ぶのが億劫であり、今になってしまったというわけだ。しかしこの店、大通りから一本中に入った通りにあるため…

下を向いて歩こう (旧ウェブサイトコラム『小噺パラダイス』)

どうも、有北です。 まったくこの世知辛い世の中、毎日を生き抜くことが何よりも大事だと痛感する、ぼく有北です。 上を向いて歩こうとは九ちゃんもよく言ったものです。 あの言葉を聞くと、いつも高度経済成長を思い出します。「上を向いて歩こう」。なかな…