京都ドーナッツクラブのブログ

イタリアの文化的お宝を紹介する会社「京都ドーナッツクラブ」の活動や、運営している多目的スペース「チルコロ京都」のイベント、代表の野村雅夫がFM COCOLOで行っている映画短評について綴ります。

バンコック・デンジャラス

どうも、僕です。

試写会で、『バンコック・デンジャラス』を観てきました。

ニコラス・デカ、じゃなかった、ニコラス・ケイジ主演、香港出身でハリウッド進出を果たしたパン兄弟監督作『レイン』のセルフ・リメイクですね。脚本に惚れこんだとのことで、ニコラス・ケイジがプロデュースも担当しています。力が入ってますね。

完璧な計画、痕跡の隠滅、契約の遵守という「殺しのルール」を持って世界で暗躍する孤高の暗殺者。引退を決意しながら引き受けたバンコクでの4つの仕事。淡々と着実にこなしつつも、少しずつ歯車が狂いだして迎えたラスト・ミッションで…。

プロットはこんな感じです。いわゆる血沸き肉踊るアクション大作というやつで、全米初登場1位というずば抜けた興行成績。やっぱりよくできてます。そこが最大の弱点なのかもしれませんけどね。タイで撮ってるんで、当然ながら水上マーケットのアクションシーンがありつつ、現地の女性との恋もありつつ、だけどそれが混乱を招きつつ、最後には非常な暗殺者がヒーローになって…。ね、きちんとしてるでしょ? 傑作とは決して言えないと思いますが、とりあえずチケット代を払う価値はある作品といったところでしょうか。ただ、ヒーローになるとはいっても、その前にとにかくバタバタ人を殺していくんで、その辺のご都合主義的な物語展開がいかにもハリウッドだなとは思いました。

さて、映像的な見どころとしては、鏡とかショウ・ウインドウとか、主人公がバイクに乗るときにかぶるフルフェイスのシールドとか、街にあふれる天然のスクリーンをうまく利用したカメラワークですね。そういった日常的な反射物に注意を凝らすことは、暗殺者にはとかく重要だそうで、ケイジはそれを「後ろの眼」なんて言ってましたね。こうした映像をちゃんと脚本と絡ませてくるあたりに、なかなかのうまさを感じました。

『バンコック・デンジャラス』は、5月9日(土)、大阪梅田ブルク7、京都TOHOシネマズ二条ほかで公開されます。

それでは皆さん、また非常に近い将来に。