原作はフランチェスコ・ピッコロの2冊の短編集『Momenti di trascurabile felicità』(取るに足らない幸せの瞬間)と『Momenti di trascurabile infelicità』(取るに足らない不幸の瞬間)で、監督と原作者が共同で脚本を執筆し、映画化した。初めから主人公をピフ(ピエールフランチェスコ・ディリベルト)に想定して書いたという監督の思惑通り、憎めないダメ男をピフが好演している。映画の舞台になったパレルモの街並も美しく、死の恐怖を感じさせない仕上がりだ。
原作は野中ともそが2003年に発表した同名ファンタジー小説。脚本・監督は、この番組でも昨年評した『新聞記者』や、現在公開中の『ヤクザと家族 The Family』の藤井道人、現在34歳。主人公のつばめをこれが映画初主演の清原果耶、星ばあを桃井かおり、大学生亨を伊藤健太郎が演じるほか、水野美紀、坂井真紀、吉岡秀隆などもそれぞれ存在感を発揮しています。
さ〜て、次回、2021年2月16日(火)に評する作品を決めるべく、スタジオにある映画神社のおみくじを引いて今回僕が引き当てたのは、『宇宙でいちばんあかるい屋根』です。清原果耶の初主演として話題となったこの作品。もう配信が始まっていますね。で、考えたら、このコーナーで短評もした『新聞記者』、さらには今週候補作に入れていたけれど当たらなかった『ヤクザと家族 The Family』も、同じ藤井道人監督。すごいなぁ。どれもジャンルが違うってことも含めて。あなたも鑑賞したら、あるいは既にご覧になっているようなら、いつでも結構ですので、ツイッターで #まちゃお765 を付けてのツイート、お願いしますね。待ってま〜す!